人間は24時間ニーズやウォンツを持っている。必要?望み?欲しい? |
そんな時あなただったらどんな食事をとりますか?朝マック?コンビニのおにぎりやサンドイッチ?
そのような朝慌しい若手のビジネスパーソンに人気なのがキムタクこと木村拓哉さんのCMでお馴染みの「ウィダーインゼリー」。非常に短時間で必要なエネルギーをチャージできると新しい朝食のスタイルを確立した商品です。「手軽に朝食を取りたい」という若い世代のニーズにマッチし、「朝食を取るならウィダーインゼリー」というウォンツにまで高めることに成功しました。
マーケティングではこのように「ニーズ」と「ウォンツ」という考え方が重要になってきますが、この2つの違いはあまり認識されていません。そこで今回はこの「ニーズ」と「ウォンツ」について企業のマーケティング戦略を含めて詳しく見ていくことにしましょう。
「ニーズ」と「ウォンツ」の違いって?
ニーズとウォンツは似て非なるものです。多くの方がその意味を混同して理解していますからここで簡単に整理していきましょう。まずニーズですが、ニーズは日本語に訳すと「必要性」です。日常生活を送る上で欲求がなくなることはありません。お腹が空けば何か物が食べたいという欲求は現れますし、夜遅くなれば眠りたいという欲求が現れます。人はこのように24時間、自分の生活に充足できていないもの求める願望を持っています。この「何か物が食べたい」とか「眠りたい」という漠然な願望がマーケティングでいうニーズというわけです。
それではウォンツはどうでしょうか。ウォンツは日本語に訳すと「欲望」ということになります。一見ニーズと同じように感じますがマーケティングの定義上、ウォンツはニーズよりももっと踏み込んだ願望ということができます。
それでは事例を使って分かりやすく説明してみましょう。たとえば今2人の選手がマラソンを走り終えたとします。マネージャーがこの2人に駆け寄り、「何か欲しいものがあるか」と尋ねた時、1人は「何か冷たいものが飲みたい」と答え、もう1人は「スポーツドリンクが欲しい」と答えました。
ここで2人の返答はマーケティング上大きな違いが発生しています。1人は「のどが渇いたのでどんなものでもいいから冷たいものが飲みたい」という欲求を持っています。彼にとっては冷たい水でもいいし、またはお茶やスポーツドリンクなど、のどの渇きをいやすものであれば何でもいいのです。この欲求はですから彼の現在のニーズということになります。
一方で後者はのどが渇きに対して「スポーツドリンクでその渇きをいやしたい」という願望を持っています。彼にとっては水やお茶などではなくスポーツドリンク以外では願望が満たされないということです。このような「特定の商品やサービスで自分の願望満たしたい」という欲求がウォンツというわけです。
それでは、マーケティングはニーズやウォンツに対してどのようなことができるのでしょうか?詳しくは次ページで!