営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

心理学を使って営業上手に(3ページ目)

営業経験を積んで、多様なお客様にあったり、複雑な状況を経れば、コミュニケーションテクニックが高まりやすい。でも経験よりも先に心理学の知識を勉強して、実践することで成績をあげてみませんか。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

テク4:大きな要求を断らせた上で小さな要求をお願いする

人は、相手からの頼みを断ると、心の中に多少の罪悪感が発生するのだそうです。たとえば、恋人から高級腕時計のプレゼントをおねだりされた場合、すぐ応じるのは難しい。でも、直後に「じゃ、目覚まし時計でいいから買って」とお願いされれば、それぐらいなら買ってあげてもいいかなと思えますよね。もしかしたら、相手は始めから目覚まし時計が欲しかっただけかも。それでもあなたは、最初から目覚まし時計を買ってほしいと言われたときよりも、スムーズに買ってあげてしまうのではないでしょうか。

営業シーンでも、相手の求める価格帯より高めの商品を最初に熱心に提示し、そのあと、「では、多少機能や品質は劣りますがこちらの商品もお勧めです」と先ほどより安い商品をすすめれば、相手も受け入れやすくなるのです。このテクニックは、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(門前払い法)というものです。

相手にとって価格オーバーだとわかっていても、より高品質・高性能(=高価格)の商品を勧めることは、決して悪いことではありません。よりよい商品について知れば、お客様がそちらが欲しくなることもあるわけです。

ただし、テクニックを使うには、大きな罠があるので要注意!高めの商品を提示するにしても、相手の予算からかけ離れてはいけません。なぜなら、金額の落差が、お客様とあなたの会社やあなた自身との距離を作ってしまう可能性があるからです。

仮に、お客様が100万円の商品購入を考えていたとします。あまりにもかけ離れた金額分の商品、例えば1000万円の商品を提示してしまうとどうなるでしょうか。「この営業マンは自分の話をきちんと聞いてくれていたのだろうか?予算についても触れたはずだが」と不信感が沸いてしまいます。

あるいは、「こんな大きな金額の商品を提示してくるということは、この会社との取引は、自分にとって場違いなのかもしれない。もしそうなら、相手にとって自分は小さな客ということだ。購入後のケアをしてあまりしてくれないかもしれない。他を当たった方がよさそうだ」と先方が勝手に遠慮してしまう、こともありえます。最初の大きな要求は、大きすぎないように気をつけましょう。

どのテクニックも相手の性格や状況に応じて使い分けることが大切です。営業だけでなく、自分が買い物をするときや、家族や友人に何かお願いをする場合にも、応用できるはずですよ。是非ためしてみてくださいね。


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