テク2:いったん要求をのませた上で、不利益を追加する
あなたは、「セールで安くなっていると思い込んで、レジに並んでいたけれど、いざ支払いの段階になってセール除外品だと気付いた。でも、結局買ってしまった」という経験はありませんか。
人はいったん要求をのんでしまうと(意思決定してしまうと)、撤回するのが面倒になったり、引っ込みがつかなくなってしまうという心理があるのです。
この心理を上手に使うテクニックとして、「ローボール・テクニック」と呼ばれるものがあります。相手にとって正確でない情報を与え、意思決定させたあとで「実は私の間違いでした」と、相手に不利益になる情報を追加する方法です。
例えば、消費税込みの価格だと言って購入の了承を得たあと、実は消費税抜きの値段だったということを後から伝える、という使い方ができるでしょう。あるいは、「商品Aと同時購入すると10%割引になるキャンペーン中」と伝えて購入の了承を得た後、キャンペーン対象除外商品だったと伝えるという方法もあります。
ただし、この方法は故意に自分のミスを演じる必要があり、場合によっては相手からの怒りや信用損失を招くかもしれません。お客様の性格にもよります。強固な信頼関係の上でないと、かなり難易度の高い方法ですね。
現実的には、自分のミスで後からお客様に不利益な情報を追加したけれど、お客様が許してくれた、それでも買ってくれた、なんていうケースで、接することのほうが多いかもしれませんね。
テク3:最初に小さな要求を受け入れてもらい、次に大きな要求をお願いする
例えば、あなたが生命保険の営業をしているとして、既存のお客様に「保険に関するアンケートを○○さんのお知り合いの3人の方にお願いできませんか」とお願いしたとします。
「アンケートに答えるだけならそれほど難しいことではないから」、と相手が引き受けてくれたとしましょう。その後で、「ではアンケートにお答えいただいた方の中から、保険の説明を受けていただける方を1人ご紹介いただけないないでしょうか」とお願いするのです。誰でも、取引やコンタクトの一番最初は、警戒と抵抗感が強いもの。それを相手が受けいれやすい小さなものにすることで、最初のリレーション事実を作成してしまうのです。小さくともリレーションができれば、2回目の要求は受けるほうもお願いするほうも抵抗が薄まるものです。
このテクニックは、フット・イン・ザ・ドア(踏み込み法)と呼ばれています。
大きな要求をした後で、小さな要求をお願いする方法って?続きは次ページで!