聞きに徹するとイニシアティブを握られる
よく見る営業マンの間違いはこうです。「聞き上手の営業マンになりなさい」
というのを間に受けて、やみくもに『聞き』に徹してしまう。本人はそのやり方が正しいと思っていたりしますが、これでは明らかにアピール不足です。
確かに、お客さんの話を聞き、必要な情報を仕入れることは重要です。お客さんも「話を聞いて欲しい」と思っている面もあるでしょう。しかし、そこで営業マンが受け身になってしまうと、コミュニケーション上のイニシアティブを相手に渡すことになってしまいます。そうすると、営業マンが『頼りない営業マン』にみえてしまう。
イニシアティブを握ることについては、別のコラムで詳しく述べました。あくまで、営業マンがコミュニケーション全体をコントロールしなければならないのです。『聞く』のではなく『話させる』といったイメージが正しい。
「お客は話を聞いて欲しい」は本当か?
そもそも、本当にお客さんは一方的に話をしたいとだけ、思っているのでしょうか?決して、そんなことはありませんよね。話した内容について、あなたから適切なフィードバックを得たいと思っているのです。そうでなければ、話す相手は別に人形でも良いという事になりますから。
それができなければ、「こいつは問題解決のできない、御用聞き営業マンだな……」と評価されてしまいかねません。「あんたが一方的に話したんだろう」と言いたい気持ちにもなりますが、そういうものなんです。
割ってはいる能力を身につける
では、具体的にはどうしたら良いか?営業マンは「お客が話している最中に割って入る能力」を身につけましょう。方法は、『適切な質問』だったり、『サマリーしてあげること』だったり、様々です。時には『反論』であることもあるでしょう。
あなたの話を聞きたいオーラを前面に出していて、適度に間をとって話すお客さんに対しては必要ない能力です。でも、そんなお客さんばかりではないですよね。一方的に話をするお客さんには、しっかりと割って入って、主導権を取り返しましょう。
それで、嫌な顔をされるか?私の経験上で言えば、そんなことはありません。逆に信頼を勝ち得る結果につながる場合がほとんどです。
割ってはいるための言葉を用意する
と言っても、慣れていない人が急に気の利いた言葉で割って入るのも難しいことです。そんなシーンに出くわしたときのための第一声を先に用意しておきましょう。
たとえば、
「なるほど、○○ということですね。では…」
「それって、こういうことですかねぇ。つまり…」
という感じです。
場合によっては、
「それは言いすぎじゃないですか~」
などと煽るのも、いいかもしれません。使い方が難しいので、上級編ですけどね。
聞きに徹するのは、流れに身をまかせるわけですから、確かに楽です。でも、そこはがんばって、流れに逆らってみましょう。
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連載:営業マンの誤解
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