営業のノウハウ/営業プレゼンテーションのコツ

オバマ氏に学ぶプレゼンテーション術

ヒラリー対オバマ。米国国民だけでなく、世界が注目する大統領候補者予備選挙。劣勢と思われていた状況を覆しつつある、オバマ氏。今回は、彼のプレゼン分析を通じ、営業に生かすべきスキルをお伝えします。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

プレゼン対決の最高峰?

海の向こうアメリカでは、いつにも増して大統領予備選挙が盛り上がっています。特に注目を集めているのが、民主党の候補者争い。


言わずとしれたヒラリー・クリントン氏とバラック・オバマ氏の一騎打ちとなっているこのレース。当初はクリントン氏優勢といわれていましたが、次第にオバマ氏に旗色が傾いているようです。


ではなぜオバマ氏は巻き返しに成功したのか。

いろいろ理由は考えられますが、大きな要因の一つに、オバマ氏の巧みなプレゼンテーション術があるといわれています。

このオバマ氏のプレゼンテーション術。実は営業マンがお客さんにプレゼンテーションをするときにも、結構使えるワザが多いんですよ。 そこで今回は、「明日からの営業に使えるオバマ氏のプレゼンテーション術」をみなさんに紹介することにしましょう。

その1: 競合との差別化がうまい

オバマ氏のプレゼンテーションが優れている第一の理由。それはライバルであるクリントン氏との差別化を明確に図っていることです。

ヒラリー・クリントン氏というと、一般に「エリート」、「インテリ」、「政策通」といったイメージがあるようです。 確かに彼女の人生は、華々しいキャリアで彩られています。また夫のビル・クリントンが大統領だった時には、ビルから「最大のアドバイザー」といわれるほど政策を熟知していました。


そのクリントン氏に対して「私もエリートだ」とか「私も政策通だ」と対抗したところで、オバマ氏は自分の存在感を十分に発揮することはできません。 そこでオバマ氏が打ち出したのは、クリントン氏とはまったく逆のイメージ戦略でした。「エリート」で「インテリ」なクリントン氏に対して、自分は中産階級出身であり、「民衆寄り」で「親しみやすい」人物であることを売りにしたのです。

実はオバマ氏も、コロンビア大学とハーバード大学という超一流大学を卒業しているかなりのエリートではあるんですね。しかしそこを全面に押し出しても優位に立つことはできないので、勝てるところで勝負しようとしたわけです。

そのためプレゼンテーション(演説)では、若い時に貧困層救済のための社会活動に従事したことや、黒人の父と白人の母を持つ混血児として育ったエピソードなどが、好んで用いられます。

またクリントン氏のように、細かくて難しい政策をあれこれと喋ったりはしません。

「イラク戦争は誤りだった。その心の痛みから、我々は立ち直らなくてはいけないのです」というふうに、今の国民の気持ちを代弁するシンプルな言葉を使って人々に訴えかけます。

これが中産階級のみならず、幅広い層からの支持を受け、今の躍進につながっているわけですね。

 

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