コーチング/人材育成・組織作り

「場」を読めるマネジャーになろう!(2ページ目)

「もっと、場を読めよ」。ビジネスにはロジカルシンキングといった論理的能力も大事ですが、論理だけでは人をマネジメントできません。言葉にならない「場」を読む力が必要不可欠です。あなたは「場」を読めますか?

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


からだをほぐし、息を感じよう!

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それでは、「気配」を感じたり、レベル3の状態で聴くためにはどうすればいいのでしょう?

齋藤孝・明治大学教授は次のように述べています。

「場の空気を敏感に感じられるようになるためには、レスポンス(反応)のいい身体になることだ。気働きの第一歩は、自分のからだをほぐすことである。」(■『気の力―場の空気を読む・流れを変える』(齋藤 孝著 文藝春秋刊) より)

つまり、「場」、「気配」を感じるセンサーがあるとすれば、それはあなたの「からだ」なのです。それがガチガチに固くてはセンサーが開かず、「気配」をキャッチできません。まずは、からだをほぐし、柔らかくすることが必要です。その第一歩は「肩胛骨」

「まずお勧めしたいのは、肩胛骨をよくほぐすことだ。腕を回すのではなく背中側の甲羅全体を、交互にぐるぐる回してみよう。前から後ろへ大きく回すと、甲羅の中身がほぐれてくる」(前掲書・『気の力』より)

そのほか、齋藤教授は「自分の息を深くして感じる」「相手の息を感じてみる」といった、「息」、すなわち「呼吸」に意識を向けることを勧めています。

ロジックだけでなく、「場」を読もう

ここ最近、「ロジカルシンキング」をはじめ、フレームワーク(枠組み)を使って物事を分析するMBA流思考法が、ビジネスにかなり浸透してきています。

そういった論理も大事ですが、ビジネスはやはり「人」。人は感情を持ち、それに動かされる動物であり、そのマネジメントには、「場」を読む、「気配」を感じるということが必要不可欠なスキルです。

冒頭に挙げたような「場」を読めない人は、自分の論理や感情に固執し、自分にだけ意識があるレベル1の状態にはまっています。からだが固く、自分や周りの人の呼吸も感じられていません。これでは、いくら論理に優れていても、周りの人をまとめていくことはできません。

自分の意識が先ほど紹介した「レベル1・2・3」のどこにあるのかをまずは常に自覚してみましょう。まずは気づくことです。

レベル1の状態にいることがわかれば、レベル2・3にシフトすることが可能になります。意識を自分から相手、さらには周囲全体に広げるようにしましょう。

そして、肩胛骨をよく回し、自分と相手の呼吸を感じること。そうすれば、人混みで人とぶつかることは少なくなるとともに、会社では「場」を読むことが自然にできるようになるでしょう。

ただし「場」を読みすぎて、自分の意見を失い、「場」に流されることがないようにくれぐれもご注意ください。「場」を常に読みながら、自分の意見、うずきを大事にして「場」に出していきましょう。


【参考書籍】
■『気の力―場の空気を読む・流れを変える』(齋藤 孝著 文藝春秋)

■『コーチング・バイブル』(ローラ ウィットワース/フィル サンダール/ヘンリー キムジーハウス著 CTIジャパン訳 東洋経済新報社) )

【関連リンク】
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