目に見えないものに目を向ける
「そのアイデアはいいねえ」
「あそこで大事な問題点を指摘してくれてありがとう」
相手をほめるとき、このように相手が生み出したものや結果、相手の行動など、あなたが目に見えるものを普通はほめるでしょう。
ただ、これは相手の表面をなぞっているに過ぎません。もっと相手と近づき、相手の心に届けるためには、さらに目に見えているものの奥に存在するものに目を向ける必要があります。
「目に見えているものを奥」って何でしょう?
次の図をご覧ください。これは人を成り立たせている要素をモデル化したものです。
参考:NLP University ロバート・ディルツのニューロロジカルレベル |
「ほめる」から「認める」へ
環境・結果、行動など、下のレベルにある要素ほど目に見えやすいものです。その奥には、それを生み出している目に見えないレベルの要素があります。
環境・結果を生み出している行動、行動を生み出している能力、能力を生み出している信念・価値観、信念・価値観を生み出している人そのもの、つまりアイデンティティ。
単に相手の見えるところを「ほめる」のではなく、その奥にあるものに目を向けてみましょう。
環境・結果:「あのお客から受注を取って、素晴らしいね」
↓
行動:「あのお客に通い続けた行動は素晴らしいね」
↓
能力:「粘り強く続ける能力は素晴らしいね」
↓
信念・価値観:「粘り強く続けることを大切にしているんだね」
↓
人:「粘り強く続ける人なんだね」
そして、奥にいけばいくほど、それは「ほめる」というより、相手そのものをそのまま「認める」ことになっていきます。「素晴らしい」といって評価する(ほめる)より、ただ、あなたが感じたことをそのまま伝える(認める)。上から見下ろす立場ではなく、対等な立場から人と人として付き合うことにつながっていくのです。
部下をほめる。さらには認める。
これを続けることで、あなた自身、人間としての器が大きくなり、変化します。そして、部下との関係が変わり、結果として部下が変化するでしょう。
【参考書籍】
『NLPでリーダー脳力をグングン高める法』(武井一善著 ヴォイス)
【関連サイト】
■「部下の叱り方で格を上げよう!」
■「部下がのびのび働く上司に大事なのはコレ!」