ポイントは「行動」と「学習」にあり
実はポジティブ思考でもネガティブ思考でもどちらがいい、悪いわけではありません。大事なのはそこで「行動」と「学習」が起きているか? です。日本の例でいえば、ポジティブ思考から「行動」は生まれましたが、「学習」が生まれていませんでした。行動を起こすと、成功にしろ失敗にしろ必ずなんらかの結果が生まれます。その結果をしっかりと振り返り、そこから学んで、次の行動に生かしていく「行動と学習のサイクル」が回っていなかったのです。
ポジティブ思考はネガティブ思考に比べると、「行動」を促しやすいというプラス面があります。人は安全を図るために、失敗やリスクを避け、「行動」をしない傾向にあります。ネガティブ思考だと、失敗の危険性やリスクの大きさばかりが見え、「行動」になかなか踏み出せません。「行動」しないと何も起きません。ポジティブ思考で「行動」に踏み出すことで、とにかく一歩前に進めるのです。
しかし、ポジティブ思考は自分にとって都合の悪いことや失敗から目をそらしがちになり、「学習」がなかなか生まれません。そのため、失敗しているのに、そのまま同じ行動を繰り返して失敗を続けてしまいます。
ポジ・ネガ思考で行動と学習のサイクルを回せ!
人は程度の差はあれ、ポジティブ思考かネガティブ思考のどちらかに片寄っています。どちらがいい、悪いのではなく、自分がどちらの思考に立っているのかに気づくことが重要です。そして、自由にポジティブ思考、ネガティブ思考を行ったり来たりすること。冒頭の例でいうと、「もう4分の1も過ぎてしまった。あと4分の3しかない」、「まだ4分の1しか過ぎていない。あと4分の3もある」のどちらでもOKです。両方の思考でこの3ヶ月を振り返り、そこから何を学ぶかです。 うまくいったこと、うまくいかなかったこと。どちらからも学べます。
「あなたが学んだことはなんでしょうか? 」
そして何をするのか? 学んだことを踏まえて行動していきましょう。行動を考えるときにもポジティブ思考、ネガティブ思考が出てきます。ここでも大事なのはポジティブ、ネガティブの両方の思考で行動を考えることです。行動に躊躇する自分がいるかもしれません。それもOKです。
最後は行動を決めることです。もちろん、何かをやらない、やめるというのも立派な行動です。とにかくあなたが決めることです。
「あなたは何をしますか? 何をやらないのですか?」
ポジとネガは両方あって全体です。ポジティブ思考にとらわれず、ポジ・ネガ両方の思考を使いこなして、行動と学習のサイクルを大きく回していきましょう!
【参考書籍】
■『コーチング・バイブル』(ローラ ウィットワース/フィル サンダール/ヘンリー キムジーハウス著 CTIジャパン訳 東洋経済新報社)