コーチング/コーチング基本知識

「聴く・聴けない」を「見える化」しよう!(2ページ目)

会議で人の話が頭に入らない。こんな悩みはありませんか? この悩みを解決するためには1本のペンがあれば十分です。「集中できない」「聴けない」状態を「見える化」して、集中力を高め、聴き上手になりましょう!

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

見えない意識を「見える化」する

さて、「意識の向き」が大事だとわかっても、どうやってこれをコントロールすればいいのでしょう? 「意識の向き」といっても形があるものではありません。ましてや目にも見えません。つまり、最近流行の言葉を使えば、「見える化」できていないので、コントロールが難しいのです。

従って、「意識の向き」をコントロールするには、「見える化」すればいいのです。そして、そのための道具が、「手元のペン」というわけです。

自分の「意識の向き」に応じて、手元のペンの向きも動かしていきます。例えば、冒頭の山田さんのように「考え事をしているなあ」と思ったら、「意識の向き」が自分の中の考え事に向かっているわけですから、手元のペンも自分に向けます。まずは、無理に相手に向けようとせずに、自分の「意識の向き」にペンの向きもあわせ、自分で自覚することが大切です。

そして、ペンの向きを動かしながら、それに応じて「意識の向き」も動かしていきます。この時大切なのは、決して焦らないことです。相手に意識を向けようとしても、まだ自分の考え事についつい意識が向いてしまうかもしれません。そのときは、ペンの向きを自分に向けてください。

そうやっているうちに、だんだんと「意識の向き」がより実感できるようになり、コントロールができるようになってくるのです。

「意識の矢印」で読書の集中力も高まる


この「意識の向き」のコントロールは、会議のときだけでなく、相手の話を聴くどんな状況でも威力を発揮します。もちろん、「意識の向き」の「見える化」はペン以外のものでもOKです。例えば、親指を動かしてもいいでしょう。

こうやって、具体的な物などで「見える化」をしていくうちに、実際に物がなくても、想像上の「意識の矢印」が自分の中にできてきます。そして、それがまるで見える、または感じられるようになってきます。ソロバンの熟練者が、ソロバンがなくても、頭の中でソロバンをはじき、あっという間に計算ができるようなものです。

こうなれば、あなたも聴き上手です。また、それだけではなく、「意識の向き」をコントロールすることで、集中力全般が高まってきます。読書にしろ、何か仕事をするにしても、これまでよりも集中力が高まり、効率がよくなったり質が高まっていくことに気づかれるはずです。

「意識の向きに応じてペンを動かす」

まずはここからはじめてみてください。



本記事で紹介しているものと同様のトレーニングが『日経ビジネス Associe (アソシエ) 2007年 4/17号』に掲載されています。また、雑誌付録DVDではガイド自身が解説・実演していますので、ぜひ参考にしてください。

【参考雑誌・書籍】
■『日経ビジネス Associe (アソシエ) 2007年 4/17号』
■『絶妙な「聞き方」の技術』(宇都出雅巳著 明日香出版社)

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