原因を自分に求める勇気から始まる“原因を自分に求める勇気”から奇跡は始まったそれではどうすれば、この“ダメな部下”を創り出している状況にストップをかけることができるのでしょう?それは、上司が「自分自身も問題の一部であると認識」することから始まります。そこには原因を自分に求める勇気、さらには公平無私な態度、忍耐力、思い切りの良さも必要となってきます。なかなか「自分が原因である」とは認めにくいかもしれません。しかし、“ダメな部下”を創り出すことにストップをかけるには、これらが必要となってくるのです。そして上司が本当に認識し、本気で取り組んだとき、そこに大きな変化が起きる可能性があります。企業ではなく学校の例ですが、実際に大きな変化が起こった例をご紹介します。小説、テレビドラマ、さらには映画にまでなったこの物語は、ある高校教師が「原因を自分に求める勇気」を持ったことから始まりました。ある高校ラグビー部に起こった奇跡それは、今から30年前の昭和50年5月。京都のある高校ラグビーの試合での出来事でした。対戦していたのは、京都のラグビーの名門・花園高校と、京都でも札付きの問題校であった伏見工業高校。全国大会準優勝の経験も持つ花園と、メンバーを集めるのが精一杯の伏見工高では力の差は歴然としていました。開始わずか40秒で伏見工はトライを許し、その差はどんどんと開く一方でした。その一方的な試合展開を、帰りたくなるような恥ずかしさの中で見ていたのは、伏見工高ラグビー部の監督に就任してまだ間もなかった山口良治監督。ラグビー日本代表の選手として活躍した経験を持つ山口監督は、荒れた伏見工業高校を立て直すべくラグビー部監督になりしましたが、反抗する部員に苦労していました。なすすべもなく点をとられていく選手たちを、山口監督は「俺の言うことをきかないから、こんなブザマな試合になるんだ」と、部員たちを責めながら見ていました。しかし、後半15分に80対0になったときのことです。山口監督の身体の奥からこらえきれないものがこみ上げ、大粒の涙となってこぼれ落ちます。その瞬間、山口監督の気持ちに大きな変化が訪れます。 そのとき、山口監督に何が起こったのか? 次ページ>>前のページへ1234次のページへ