上司が“ダメな部下”を創り出している

“ダメな部下”ができる仕組みを解明
最近(2005年1月)、翻訳出版された本に『よい上司ほど部下をダメにする』(ジャン=フランソワ・マンゾーニ、ジャン=ルイ・バルスー著, 平野 誠一訳 講談社)という本があります。著者は会社における上司と部下のやりとりを観察・記録するなかで、一つの驚くべき事実を発見しました。さらにその事実を3000人以上の管理職と議論しましたが、その基本的考え方は変わらなかったといいます。彼らが発見したのは次の事実です。

「多くの上司は無意識のうちに部下を『できる部下』と『できない部下』に選別している。そして『できない』とみなした部下が失敗を重ねる状況を創り出している」

つまり、“できない部下”がいるのではなく、“できない部下”、つまり“ダメな部下”を創り出している上司がいるというのです。

もしあなたの部下に“ダメな部下”がいるのであれば、その部下に対するあなたの行動を思い出してみてください。次のような行動をとっていませんか?

1) 目標や締め切りを細かく設定している
2) 仕事の進行状況を定期的にチェックしている
3) 目先の仕事の話ばかりしている
4) 手順の決まった仕事を与えることが多い
5) 物理的にも心情的にも距離を置きがちである

そして、あなたが部下のことをどう思っているでしょう? 次のように思っていませんか?

1) 自分から行動を起こさない。上司が細かいことまで考えないといけない
2) 問題が生じても自分からなかなか話そうとしない
3) 刺激的な話をする相手ではない
4) やる気がなく、言われたことしかやらない
5) 受身で言い訳ばかり探している

上に挙げた“ダメな部下”に対する上司の行動と見方を、番号ごとに見比べてください。

たとえば、1)の「目標や締め切りを細かく設定している」「自分から行動を起こさない。上司が細かいことまで考えないといけない」

上司であるあなたは、こう考えるかもしれません。
部下が「自分から行動を起こさない。上司が細かいことまで考えないといけない」から、上司は「目標や締め切りを細かく設定している」。

でも、こう考えることもできます。順番を逆にしてみてください。
上司が部下に対して「目標や締め切りを細かく設定している」から、部下が「自分から行動を起こさない。上司が細かいことまで考えないといけない」

どうですか? 実はこうやって、上司の考え方・行動が、“ダメな部下”を創り出しているのです。あなたはいかがでしょう? もしあなたに“ダメな部下”がいるとしたら、その部下に対する行動を振り返ってみてください。どんなあなたの行動が見えてきますか?

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