コーチング/会議運営・面談・面接

会議で戦うのはもうやめよう!(2ページ目)

「会議」というと、退屈な場、もしくは戦いの場だなんて思う人はいませんか? もし、会議を協力する場・創造する場に変えられたらどうでしょう? そうなるためのヒントをお伝えします。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

同じものを別の場所から見ていませんか?


戦わずに一緒に協力しようと思っても、それでも議論がかみ合わず、前に進めないこともあります。例えば、次のような議論になることはありませんか?

「それをやるためには、こんなアイデアもあるよ」
「もうちょっと冷静になって考えてみようよ」
「今はいろいろとアイデアを出してみるときだよ」
「お金とか、ほかのリスクのことも考えなきゃ」

どれも必要ですが、これでは「ああ言えば、こう言う」状態になって、なかなか話が前に進んでいきません。まるで、ある家を東西南北、そして上下の6つの方向から6人がそれぞれ家を見ていて、「これが本当の家の外観だ!」と主張しあっているのと同じことです。

参加者にはさまざまなタイプの人がいます。どんどんとアイデアを出すのを好む人。現実を常に考えている人。リスクを考え、問題点を指摘する人。同じものを見ていても、人によって見えるところが違い、かみ合っていかないこともあります。

議論はやめて、「6つの帽子」をかぶってみよう


この綱引き状態の無駄をなくし、「一度にたった一つの事をする」ことを提唱しているのが、デ・ボーノ氏の「シックス・シンキング・ハット(6つの考える帽子)法」です。

これは6人が一緒に家の周囲を歩き回り、それぞれの側面を同時に見ている状態で話し合うことです。あるテーマについて「常に全員が同じ視点」から見る。これによって、無駄な議論・対立を無くすことができるのです。

その視点として用意されているのが以下の「6つの帽子」です。

白い帽子=客観的な事実と数値(データ)
赤い帽子=怒りや情熱などの感情
黒い帽子=警戒と注意、考え方の弱点
黄色い帽子=積極性、希望、肯定的な考え方
緑の帽子=創造性、新しい考え方の誕生
青い帽子=冷静さ、調整、考え方のプロセス、帽子の使い方の統制


(詳しくは『会議が変わる6つの帽子』(エドワード・デ・ボーノ著 川本英明訳 翔泳社)を参照ください。)

全員が一度に同じ帽子をかぶり、そして帽子を次々と変えることで、協力しつつ、しかも多様な視点から考えることが可能になるのです。

「味方同士でボールを奪い合ってどうするの?」
「ここはみんなで○○色の帽子をかぶってみよう!」

こんな問いかけ・呼びかけをしながら、会議を「論争の場」「戦いの場」から、「協力の場」「創造の場」へと変えていきましょう!

【参考書籍】
■ 『会議が変わる6つの帽子』(エドワード・デ・ボーノ著 川本英明訳 翔泳社)

【関連サイト】
■「座り方を変えれば、会議が変わる(前編)」
■「座り方を変えれば、会議が変わる(後編)」
■「「上司の悩み」解決シリーズ2――会議で意見が出ないんです……」
■「会議やデートで戦ったり、我慢して疲れていませんか? ――迎合せず対抗しない男の質問術」
■「9つのマスがあなたをパワーアップ!(1)」
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