文章:宇都出 雅巳(All About「コーチング・マネジメント」旧ガイド)
「あいつはできない」と部下のことを悪く言う上司に限って、その部下についてほとんど知らない人が多いですが、あなたはどうでしょう? “できない”部下とこそ、話をしましょう。そして、その時には最低限押さえるべき3つのポイントがあります。
上司は”できない”部下のことを知らない
部下に好奇心を向けていますか? |
「努力もしないくせに、言い訳だけは達者な部下です。こんな場合は厳しく言うしかないですよね。」
管理職研修をすると、“問題児”である部下についてよく相談されます。そんなとき、私はよくその上司にたずねます。
「その部下の好きなことは何でしょう? 趣味、好きなスポーツ、食べ物などを知っていますか?」
多くの上司が答えに詰まります。
「そんなこと知りませんよ」
「あの部下が好きなことなんて、興味もないですし……」
“できる”部下と上司はよく話します。そして話を通じて相手のことをよく知っていきます。一方、”できない”部下と、上司はほとんど話をしていません。だからこそ、これまた当然ながら、相手のことをあまり知ることができません。
よく知っている部下と知らない部下。
どちらに対して効果的なマネジメントをできるでしょう? 上司はどちらの部下をよく知るようにしたほうがいいでしょう?
“できない”部下と話をしていますか?
興味がないから話をしない → 話をしないから相手のことを知らない → 知らないから興味が出ない → 興味がないから話をしないあなたは”できない”部下との関係で、こんな悪循環が起こっていませんか? 効果的なマネジメントは、相手を知らなければできません。”できない”部下のことを嘆く前に、まずは相手のことをよく知りましょう。
実はこれと同じようなことが営業現場でよく起きています。
営業マンはすでに関係ができている取引先には行きやすいので、ついついそこに足が向き、必要以上に訪問しています。一方、これから伸ばしていく必要がある取引先にはどうしても行きにくいので、訪問回数も時間も不足しがちなのです。
もしあなたが営業マンや営業マネジャーであれば、取引先に対するこんな状況は放置していないはずです。
それは部下に対しても同じです。自分が話しやすいか、話しにくいかは横に置いて、”できない”部下と話をするのが、まず第一歩です。
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