相手が体験している世界に好奇心を向け続ける
もちろん、私の話のように、いつも見えやすい・聞こえやすい・感じやすい話ばかりではありません。でも、よーく相手の手の動きや目の動きを見てみましょう。まるで手で絵を書くように動かしている人はいませんか? 耳のあたりに手を当てて、自分自身の内なる声を聞こうとしている人はいませんか? 胸に手を当てて何かを感じている人はいませんか?
話している相手に向かって、こんなふうに好奇心を向けてみましょう。
「この人は何を見ているんだろう? 何を聞いているんだろう? 何を感じているんだろう?」
そうしていると、これまでよりも相手の話をよーく聴いている自分に気がつくでしょう。
相手が話していなくて、沈黙しているときでも同じです。好奇心をもって、相手が今体験していることに意識を向けていきましょう。今までは沈黙が怖くて、ついついしゃべっていたあなたが、沈黙を待てるようになったかもしれません。沈黙を味わうといったほうがいいでしょうか。
これは部下の話を聴くうえでも、お客との商談でもとても大事なことです。人が深く考えたり、大事な意思決定をするときには、だれでも沈黙して考えるものだからです。沈黙をどれだけ待てるかが、トップセールスマンになれるかどうかのカギだとも言われるくらいです。