【ガイドの不動産売買基礎講座 No.77】

不動産広告に関する規定について、前回は宅地建物取引業法による制限を説明しました。それでは、具体的な表示基準はどうなっているのでしょうか。注意すべき点などを含め、一つひとつの項目について今回から主なポイントをみていくことにしましょう。


広告主に関する表示

宅地建物取引業法による規定でも説明したとおり、広告をする宅地建物取引業者の取引態様として「売主」「貸主」「代理」「媒介(仲介)」の別が表示されます。

このとき、取引態様がどれであっても、広告をする宅地建物取引業者の商号、所在地、免許証番号、所属団体などが表示されることになっています。

ただし、物件情報誌や新聞上の物件一覧のような広告では所在地、免許証番号、所属団体を省略してもよく、インターネット広告の一部(物件種別などによる)では所属団体を省略することができます。

広告媒体や物件の種別によって必要な表示事項が異なっていますが、大雑把にいえば新築分譲物件のパンフレットが最も項目が多く、新聞折込みチラシ・新聞記事広告、インターネット、雑誌などの順に必要項目が少なくなります。

なお、売主と広告をする宅地建物取引業者が異なる場合に、売主も宅地建物取引業者なら広告主だけでなく売主の商号と免許証番号も表示されます(インターネットと雑誌などを除く)。中古住宅などで売主が個人の場合は、もちろん売主名を表示する必要はありません。

以前に、ある郊外エリアの新築分譲一戸建て(たしか5区画ほど)で売主が免許のない個人名になっている広告を見たことがありますが、これは明らかに違法(無免許営業)のものでした。このような広告が堂々と行なわれることもあるため、十分に注意しておきましょう。


物件の所在地に関する表示

不動産の所在地を表示する方法には「住居表示」と「地番」があるものの、広告に用いられるのは「地番」です。

中古物件や小規模な新築分譲物件(10区画または10戸未満)では「地番」を省略して町名や丁目までの表示とすることもできますが、それ以外の新築分譲物件では必ず表示されます。ただし、敷地地番が複数あるような場合は、その代表地番のみが記載されていることも多いでしょう。

したがって、広告や宅地建物取引業者から渡された資料だけを頼りに、お客様が道路地図を片手に現地へ行って、まったく違う物件を見ていたというのもありがちな話です。

そもそも住居表示は「完成した建物」に対して付けられるものですから、工事中の建物や更地には住居表示そのものがありません。新築未完成物件の広告やパンフレットに地番の表示と併せて「住居表示:○○町一丁目23番(以下未定)」などと書かれているのはこのためです。

ただし、中古物件の広告などの場合には必ずしも地番が表示されているとは限らず、住居表示のみが記載されているケースもありますから、そのどちらなのかが明記されていない場合には注意しなければなりません。


最寄り駅に関する表示

原則として実際の所要時間の短い駅が表示されますが、駅と駅の中間付近にある場合や、都心などで複数の駅が利用可能な場合には、より人気の高い駅、より便利な駅をメインに表示しているケースも見受けられます。

通常の広告であれば併記して書かれているでしょうが、インターネットなどではそのなかの一つの駅しか情報を掲載していない場合もあります。物件の検索をするときには希望駅の前後や近接する駅を含めたり、エリア条件を組み合わせたりするなどの工夫もしてみましょう。


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