【ガイドの不動産売買基礎講座 No.83】

不動産広告について、前回は完成予想図、価格表示、予告広告およびシリーズ広告の表示に関する規定を説明しました。引き続き今回は、特定用語の使用禁止や不当表示、おとり広告などに関する規定をみていくことにしましょう。


特定用語の使用は禁止されている

次に掲げる用語は、広告では使用できないか、もしくは条件付きで使用できるものです。

【原則として使用できない用語】
「完全」「完璧」「絶対」「万全」「百点満点」「パーフェクト」「完全無欠」など

【客観的・具体的な事実にもとづく場合のみ使用できる用語】
(その事実を裏付けるデータなどが必要です)
「日本一」「日本初」「○○エリア初」「業界一」「当社のみ」「超」「抜群」など

【客観的・具体的な事実にもとづき、そのデータを併せて表示する場合のみ使用できる用語】
「最高」「最高級」「特級」「極」「傑出」「随一」「最上」「掘り出し物」「お買い得」
「格安」「破格」「激安」「安値」「バーゲンセール」など

【事実に反して使用することができない用語】
「特選」「厳選」「完売」など

これらは例示であり、類似する用語の使用も同様に制限されます。しかし、どうしても曖昧な部分は残るため、判断が難しい場合も少なくありません。

グレーゾーンの用語を多用しているような広告を目にすることもありますが、あまり信用しないほうがよいでしょう。

とくに格安に感じるような物件は要注意。売主の事情により相場よりもかなり安く手放す物件も存在しますが、そのような物件をわざわざ費用や手間をかけて広告することはありません。

広告に出る格安な物件は、「不当表示」か「おとり広告」、あるいは「欠陥のある物件」と考えるべきでしょう。ただし、 “少し割安” な程度であれば、きちんとした広告が出されるケースもありますが……。


不当表示・おとり広告などの禁止

不動産の広告をするときには、それぞれの項目(公正競争規約では75項目が列挙されています)について、「事実に相違する表示」や「実際のものよりも優良(あるいは有利)であると誤認されるおそれのある表示」を禁止しています。

いわゆる「不当表示の禁止」ですが、それをみた消費者が実際に誤認したかどうかではなく、そのおそれのある表示自体を禁止しているわけです。当然ながら、事実に相違する表示などにより不当に顧客を誘引する行為なども禁止されています。

また、居住環境として好ましくないものが将来できることが客観的にはっきりしているのであれば、パンフレットなどに必ず表示しなければなりません。

さらに、物件の物理的な欠陥や法令などによる重大な利用の制限、消費者にとって著しく不利益となる事項については、明確に表示することが義務付けられています。

「おとり広告」についても当然ながら禁止されています。「おとり広告」とは、実際には存在しない不動産、あるいは取引する意思がない不動産、取引できない不動産について、取引できると “誤認されるおそれ” のある表示が該当します。

もちろん、“必ず誤認される” 表示ができないことはいうまでもありません。



これまで8回に分けて不動産広告の規制内容や注意すべきポイントなどを説明しましたが、広告はあくまでも手掛かり、参考資料のひとつにすぎません。

広告に書かれない内容も多いのですから、うたい文句に惑わされずに現地をよく確認すること、分からないことがあれば納得できるまで不動産業者の担当者などの話を聞くことが大切です。

広告に関する規定・規約などにはさらにいくつもの細かな事項があるのですが、ひとつだけ付け加えておくと、「新発売」という用語は新築マンションや分譲地、分譲住宅を数期に分けて販売する場合、その期ごとに使用できることになっています。

大規模マンションなどでは何度も「新発売」があって、すこし釈然としないときもあるでしょうが、広告の内容をよく理解することが欠かせません。


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