【ガイドの不動産売買基礎講座 No.81】

不動産広告について、前回は間取り、築年数、戸数、方位などの表示に関する規定を説明しました。引き続き今回は、法令による制限などの表示に関する規定をみていくことにしましょう。


法令による制限の表示

建築基準法都市計画法などの法令による制限で一般的に広告に記載されるのは「用途地域、建ぺい率、容積率」ですが、売地・分譲地以外の場合(通常の広告)には必須となっていないものが少なくありません。

ただし、実際には売地・分譲地以外でも用途地域などを表示しているケースが多いでしょう。

それ以外には、物件の種別に応じて土地の地目や道路の幅員・舗装の有無、国土法による届け出が必要な場合はその旨、都市計画道路や環境に影響を及ぼす計画、その他利用に関する制限などがあればその旨が記載されます。

用途地域をみる場合に、住環境が優れているつもりで「第1種低層住居専用地域」(または「1種低層」「1低」などと記載されます)の土地を選んでも、その隣の土地の用途地域がどうなのかは広告では分かりません。

ちょうど用途地域の境目となるケースのほか、「第1種低層住居専用地域」の道路をはさんで向かい側が「商業地域」に指定されているようなところも実際にあります。

広告の表示だけに頼るのではなく現地の環境をしっかり確認することはもちろんですが、周辺の用途地域については不動産会社の担当者に聞いたり、ときには自分で役所へ出向いて調べたりすることも必要でしょう。

建ぺい率については、角地などにおける緩和措置があっても、緩和後の数値は記載されていないことが多くなっています。

同様に容積率では、たとえば指定容積率が300%でも前面道路が4mだと実際に適用される容積率は160%が上限(一般的な住居系用途地域の場合)になるといった内容が記載されないまま、単に「300%」とだけ記載されていることも多くなっています。

そのため、土地選びの際には広告をみる前に若干の予備知識も欠かせません。

地目は原則として登記上の地目が記載され、現況と異なるときには「地目:畑(現況・宅地)」などのように表示されます。

この登記上の地目が「田」や「池沼」など水に関係するもののときには、十分に注意しなければなりません。必ずしもそうだとはいえませんが、最近まで実際に田や池などに利用されていて、まだ埋め立てをしたばかりという可能性もあるでしょう。


敷地のセットバックに関する表示

前面道路の幅員が4m未満の場合、原則として既存道路の中心線から2mのラインまで敷地を下げなくてはなりません。この敷地後退のことを「セットバック」といいますが、広告では「セットバック有」「SB有」などと表示されます。

この場合、セットバック面積が敷地面積のおおむね10%以上のときにはその面積も記載することになっていますが、それ以下では省略されていることもあります。

建ぺい率や容積率を計算するときにはセットバック面積が除かれますから、広告に表示された土地面積にそれが含まれるのかどうか注意しなくてはなりません。


再建築不可の土地

原則として建築基準法上の道路に間口が2m以上接していないと、その敷地には建物を建てることができません。そのような土地の広告では「再建築不可」あるいは「不適合接道」などの表示がされます。

中古住宅でこのような土地に建っている物件もありますが、通常は合法的に再建築することができないため、住宅ローンの融資などを受けることがたいへん難しくなります。普通の物件よりもそれなりに安くなることが当然で、決して掘り出し物ではありません。


市街化調整区域内の土地に関する表示

市街化調整区域内では、一定の要件に適合しないかぎり、原則として建物の建築などをすることができません。

そのような土地を広告する場合には、16ポイント(約6ミリ四方)以上の大きさの文字で「市街化調整区域。宅地の造成および建物の建築はできません」などと表示しなければならないことになっています。

なお、住宅などの建築が認められる市街化調整区域の土地もありますが、そのような場合に「用途地域に代えて市街化調整区域である旨を明示すること」や「住宅などを建築するための許可条件を記載すること」といった規定が、2012年の規約改定で整備されました。


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