Vineria t.v.b（ヴィネリア t.v.b）(3ページ目)

・生雲丹と芽葱のバベッティーネ

生雲丹と芽葱のバベッティーネ

「t.v.b」の二号店はカジュアル版ということですが、料理のクオリティはリストランテ級。例えば、このパスタ料理「生雲丹と芽葱のバベッティーネ」も、生雲丹のプルプルとした滑らかな食感と、芽葱の青い香味が織り成す、海と大地のマリアージュは、舌の上が口福感に満たされるような食べ心地！　大胆なまでに生雲丹を使うからこその至福の到達点は、シェフの気前の良さが活きた一皿といえるでしょう。ファンタスティコ！


・「ひめじ」の香草焼き

「ひめじ」の香草焼き

そして、この日もっとも感激した料理が、この「ヒメジの香草焼き」。長崎の五島列島で捕れた大ぶりの「ヒメジ」を丸ごと一匹使った一皿で、丸焼きだからこその旨味の詰まった仕上がりとなっています。思わず見とれてしまう美しい皮目の薄紅色と、透明感のあるプリップリの身質！　鮮度と質の高さを活かすように塩加減がズビシッ！と決まっていて、これ以上は求めるところがない完成度。

そしてここでも登場の京野菜たちは、「堀川牛蒡」、「カリフラワー」、「姫人参」、「日の菜」、「銀杏」、「むかご」等、京野菜でもトップクラスのものばかり。さらに香草焼きに使われているハーブたちも、「タイム」、「ローズマリー」、「フェンネル」、「セージ」、「ミント」、「ディル」、「イタリアンパセリ」等、多種多様なハーブがてんこ盛りですし、これぞ本当の正真正銘の香草（ハーブ）焼き！　テーブルに運ばれてきた時から漂う、ハーブ香の凄さは食欲をMAXに駆り立てます。

しかも、これで2,000円（時価）でしたから、何ともお値打ち振りでしょう。「t.v.b」本店とは（価格的にも構成的にも）違うベクトルの料理ですが、添えられた野菜達の豊富さと使い方のセンスは、間違いなく「t.v.b」のDNAを引き継いでいますね。これはさすがに心に残る魚料理となりました。