広東と四川の饗宴
・海鮮と季節野菜の炒め
|
海鮮と季節野菜の炒め(900円) |
海鮮ネタは海老、イカ、帆立の中から選びます。野菜一つ一つにまで、丁寧な一仕事が施されており、野菜がここまで旨いと感じた中華は久しぶり。四川料理とは違い、広東料理は下味の行程で味が決まりますから、こういった野菜を活かした料理は真骨頂。ボリュームたっぷりでも、野菜が中心でソースが重くないので、いくらでも食べたくなる軽やかな味わい。中華の野菜料理でここまで感激できたのは、六本木のレイカサイ以来です。先に紹介した野菜の蟹あんかけ同様に、その火入れの妙は特筆物。炒められた野菜一つ一つに匠の技を感じさせます。
・海老のチリソース
|
思わず白御飯を食べたくなる旨さ。 |
「美齢」の料理は広東料理がベースですが、実は四川料理も秀逸なのです。海老のプリプリ感はもちろん、チリソースのコクとキレが抜群。後味としてほんのり残るチリ風味が、何とも白御飯を誘うため、単品で頼んだ場合は白御飯が欲しいところです。
・焼売
|
焼売(4個400円) |
皮がほんのり黄色いのは、ワンタンの皮を使ってあるため。この柔らかい皮が全体の食感を邪魔することなく、旨味を包み込んでいるため、ふんわりと仕上がっているのです。
また、肉も惜しげもなくたっぷりと詰められており、食べ応えも十分! 蒸し料理ですから、肉汁は残しながらも、まったく油っこくなく、それでいてジューシーな味わいなので、これだけ大きいサイズでもペロりと食べられます。
・担々麺(800円)
|
ミンチの味付け、量、そぼろ加減など、完璧。 |
スープの色合いを見ていただければ分かってもらえると思いますが、スープが白濁系になるほど濃厚に芝麻醤が利いて、この胡麻風味がとにかく芳醇。さらにピーナッツバターの風味が決め手となり、生まれて初めて担々麺で替え玉をお願いしそうになったほど! もちろん最後のスープまで完食です。
辛みを抑えた、円やかな甘味(旨味)ある味わいは、「上質」という言葉がピッタリの理想的な担々麺! 私が今までに食べてきた担々麺の中では、以前に四川で食べた担々麺と並ぶ逸品でした。
先述した上海風ヤキソバもそうですが、この店では火力を使った炒め物以外に、麺物もホント素晴らしい! お世辞ではなく、そのどれもが感動クラスの逸品揃いですので、昼夜問わず是非ともアラカルトで追加オーダーしていただきたいですね。
・蟹とレタスのチャーハン
|
蟹とレタスのチャーハン(800円) |
これまたジェットバーナーのウルトラ火力と、それを操るシェフの技量を魅せつけられる一品。パサパサしすぎない絶妙の炒め具合で、火は確実に通っているのに御飯粒や素材の食感・持ち味は、しっかりと感じられる見事なまでの仕事ぶり。〆の飯物として、先述した至極の担々麺と合わせて欠かさずに食べておきたいメニューです。
・デザート
|
|
杏仁豆腐 |
マンゴープリン |
デザートは日替わり形式なので、何があるかは訪問してからのお楽しみとなります。中華では〆にデザートを頼まない方がいますが、この店では絶対に頼んでいただきたいですね。というか、必食です! 特に杏仁豆腐は口の中でハラリと崩れ落ちるほどの極限的柔らかさで、その滑らかな舌触りは特筆物。まさに一流の風格を感じられる逸品に仕上がっています。
炎の魔術師
|
店内に飾ってあるフカヒレ。もちろんメニューにもフカヒレはあります。 |
CP最強を誇る京都中華の新星店! 豪炎から生み出される料理は、テーブルに運ばれてくる一皿一皿が楽しみで仕方ないぐらい、どれも本物の一流クオリティ。今後は予約の取りにくい一軒になっていくことでしょう。
全国版グルメガイド本「もう一度食べたい! あのお店の一皿」>>詳細はこちら
<DATA>
・店名: 隠れ家中国料理 美齢(メイリン)
・所在地:京都市上京区黒門通元誓願寺上ル寺今町511
・アクセス:京都市営地下鉄「今出川駅」徒歩約11分
・地図:
Yahoo!地図
・TEL:075-441-7597
・営業時間:11:30~14:00(LO)、17:30~21:00(LO)
・定休日::月曜日及び不定休