国際結婚/国際結婚アーカイブ

ルーツをたどる旅[2]…届かなかった手紙(4ページ目)

甲府で親族の方たちに会ったスコットさんご家族。親戚の家には古い写真が大量に残されていました。また、アメリカでは母親が生き別れになった長男宛に書いた手紙が発見され、おじいさんは今回持参してきたのです。

執筆者:シャウウェッカー 光代

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私たちは「つなぐ」世代

日本の親族との楽しく貴重な再会の時間。
……しかし、やがて出発の時が来ます。

別れる時、おじいさんは本当に名残り惜しそうでした。見送ってくれる甥御さんや親戚の方たちに、何度も「またね」「またね」と言うおじいさん……。

「『また』の機会はもう無いかもしれないんですよ。おじいさんもそれはどこかで分かっているんです。でも『またね』ってみんなに言って……」と、涙声の直美さん。私も目頭が熱くなってしまいました。

アメリカと日本に離ればなれになっていた家族をつないだのは、おじいさんを探し出してくれた甥御さんたちでした。そして、スコットさんが直美さんと国際結婚することで、また新たなつながりができたのです。

「私たちは、つなぐ『代』なんだと思います」
直美さんの言葉が、とても力強くあたたかく心に残りました。この旅でどれほど彼女が急速にヤマダ家一族に浸透していったか……。もう直美さんは掛け替えのない家族の一員なのです。

飛騨高山へ

高山の町で、おばあさんをカメラに収めるおじいさん
親戚の皆さんからたくさんのお土産をいただき、前よりさらに深まった絆を胸に、一行は山梨を後にしました。向かった先は岐阜県の飛騨高山。ここからは純粋に日本観光の旅です。

ミニバンを運転するのはスコットさん、助手席におじいさん。2列目はおばあさん、お義母さん、直美さんと女性が並び、3列目にお義父さんと弟さん。車内の楽しそうな様子が目に浮かびます。

おじいさんもおばあさんもソフトクリームが大好きで、サービスエリアで休憩するたびに食べていたそうです。その姿が何とも微笑ましかったと直美さん。聞くところによると、日本のソフトクリームは濃厚で、アメリカのそれより数段おいしいのだそう。それに、サービスエリアならご当地ソフトなども充実してますものね。

高山では1泊し、市内の歴史ある町並みを散策したり、民俗村「飛騨の里」を訪れたりしました。世界遺産の白川郷へは車で40分程かかるため、時間の都合で、代わりに「飛騨の里」で合掌造りの家々や飛騨地方の暮らしぶりを見学したのだそうです。旅慣れているスコットさんらしいアイディアですね。

こうして日本中部の風景と自然を堪能した後、一行は関西に向かいます。

*    *    *    *    *

日本のルーツを探す旅、関西でもまたなつかしい再会がありました。後半の様子は次回の記事で。

【関連ガイド記事】
スイスで親族大集合イベントに参加<後編>
スイスで親族大集合イベントに参加<前編>

今までの体験談シリーズ:
<私たちの国際結婚シリーズ Vol.1>「インド人の夫の誠実さに感動」
<私たちの国際結婚シリーズ Vol.2>「大雑把さと素直さが彼女の魅力」
<私たちの国際結婚シリーズ Vol.3>「ワーホリと大雪がご縁を呼んだ?」
<私たちの国際結婚シリーズ Vol.4>「親戚の猛反対を乗り越えて」
<私たちの国際結婚シリーズ Vol.5>「不思議と気が合った韓国出身の彼」
<私たちの国際結婚シリーズ Vol.6>「ベトナムを描き続け居場所見つけた国際結婚」

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