作り方は簡単!基本の七草粥レシピ
七草粥はおいしく・楽しく! 七草粥用のセットを使えば簡単です。
昔は前日に七草を摘みに出かけ、神前に供えてから、7日の朝にお粥にして食べました。今でも何種類かは摘めますが、なかなかできることではありません。そこで便利なのが、七草セット(春の七草セット)。これで七草粥を手軽に楽しんでみませんか。
七草を刻む前に楽しむ~七草鑑賞
春の七草ってどんなもの? なんとなく内容は知っていても、実物までわかる方は少ないでしょう。実は身近なものばかりなのに、触れるチャンスがないからです。そこで、七草セットを準備したら、調理する前に鑑賞してみませんか。
- 芹(せり)……水辺の山菜で香りがよく、食欲が増進。
- 薺(なずな)……別称はペンペン草。江戸時代にはポピュラーな食材でした。
- 御形(ごぎょう)……別称は母子草で、草餅の元祖。風邪予防や解熱に効果がある。
- 繁縷(はこべら)……目によいビタミンAが豊富で、腹痛の薬にもなった。
- 仏の座(ほとけのざ)……別称はタビラコ。タンポポに似ていて、食物繊維が豊富。
- 菘(すずな)……蕪(かぶ)のこと。ビタミンが豊富。
- 蘿蔔(すずしろ)……大根(だいこん)のこと。消化を助け、風邪の予防にもなる。
春の七草粥用のセットと土鍋を使った簡単な作り方レシピ
土鍋ごとテーブルに出せば、さらにマル!
■七草粥 材料
米:1合
水:約1リットル(米の5~7倍。お好みで調節)
春の七草セット:1パック
塩:適宜
※春の七草が手に入らなければ、冷蔵庫にあるネギ、ミツバなど、お好きな野菜でOK! 七草粥のルーツが「七種菜羹」や「七種粥」であるように、もともとは7種類のものであり、春の七草になったのは後世のこと。春の七草に限らず、7種類の野菜を入れて作る地方や、野菜以外の具やお餅を入れて7種類とするところもあります。詳しくは「七草粥の由来と春の七草の意味や覚え方」もご覧ください。
■七草粥の作り方
- 米を研ぎ、1リットルの水とともに鍋に入れ、30分ほどつけておく。
- ふたをして強火にかけ、沸騰したら弱火にしてふたをずらし、40分~60分ほど炊く。焦げ付かないよう火加減に注意。
- 米がやわらかくなったら、細かく刻んだ七草を入れる。
- 七草に火が通ったら、塩で味をととのえ、しばらく蒸らして出来上がり。
これでおよそ4杯分。餅を入れると腹もちがよくなります。
「七草ばやし」を唱えながら七草を刻んでくださいね♪
ご飯から作る!さらに簡単な七草雑炊の作り方
米から炊く時間がない場合には、ご飯から作る「七草雑炊(ななくさぞうすい)」にしてしまいましょう。ご飯に2~3倍の水を加えて煮込み、最後に刻んだ七草を入れて味をととのえるだけなので、10分もあれば完成です。あらかじめご飯を水で洗っておくとさらっとした雑炊に、そのまま入れるととろっとしたおじや風になります。また水ではなくだし汁で煮込んだり、食べる際に味付きごまをふりかけたり、お好みでどうぞ。
七草ばやし(七草囃子)
昔は、前日に七草を摘みに出掛け、七草ばやしを唱えながら刻んでいました。七草ばやしは地方によって様々ですが、そのほとんどが豊作や無病息災を願うものばかり。実家のおばあちゃんに聞いてみてはいかがでしょう。
■七草ばやしの例
「七草なずな 唐土の鳥※が 日本の土地に 渡らぬ先に ストトントントン ストトントントン」
「七草なずな 唐土の鳥※と 日本の鳥が 渡らぬ先に 七草はやす おてこてんてん」
「作物の虫のついてこぬようにみな叩きつけてしまうように ストトントントン」
※「唐土(とうど)の鳥」は大陸から渡ってくる鳥という意味で、鳥が疫病を運んだり作物に害を与えるものの象徴となっています。
節回しも歌い文句もわからない場合には、「せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ すずなすずしろ 春の七草」と唱えて春の七草を覚えてしまうのも賢い方法。我が家流の七草ばやしを作ってみても楽しそうですね。