暮らしの歳時記/正月の行事・楽しみ方(年末年始)

ひと味違う~粋なおとなの年末年始(2ページ目)

これから年末に向け、正月準備や片付けなどで忙しい日々が続きます。だからこそ、要所をビシッと押さえて心豊かに過ごしましょう!日本古来のたしなみにそのヒントがありました。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

事始め (12月8日)~道具に感謝し、正月の準備を始めます

針供養は、豆腐やこんにゃくに針を刺して供養します。
「事」を年ととらえる地方では12月8日を事始め(事納めは2月8日)、「事」を農業ととらえる地方では12月8日を事納め(事始めは2月8日)といい、仕事や祭礼の始まりと終わりの日を意味しています。

1年間お世話になった道具を片付け、新年を迎えるしたくを始める日ですが、この日に針供養をするのも、着物の時代の大切な道具だからです。おせちを調理するための薪や門松の竹なども、この日に採りに行きました。

現代なら、ご苦労様という気持ちを込めて今年お世話になった道具を片付け、正月の準備リストを作ったり、新しい手帳やカレンダーを用意してはいかがでしょう。年賀状も本腰を入れて準備します。
■年賀状の賀詞、正しい選び方は⇒こちら

 

すす払い(12月13日)~ご利益を授かる大掃除

すす払いで念入りに掃除をしておけば、年末の大掃除がぐんと楽!
現代の大掃除のもととなるのが、すす払いです。お正月は年神様を家に招き入れる行事ですが、昔はご先祖様も帰ってくるとされていました。そこで、神棚や仏壇の掃除をして正月の準備をする習わしがあり、やがて家中を掃除して年神様をお迎えするようになりました。また、13日を事始めという場合もあります。

1年間の汚れを払い隅から隅まできれいにすると、年神様がたくさんのご利益を持って降りてくるそうで、12月13日に江戸城ですす払いを行っていたことに由来します。ただでさえ慌しい年末は要所だけを掃除すればいいので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。

また、お歳暮を12月13日ごろから贈るのは、お歳暮が正月用のお供えものだったことの名残りで、すす払いが済み、年神様やご先祖様を迎える態勢がととのう頃に届けるわけです。
■失敗しないお歳暮選びは⇒こちら
■品物すべてに“のし”を付けてはいけません⇒こちら

 

冬至(12月22日頃) ~風情とともに福を呼ぶ

柚子湯の由来や楽しみ方は⇒こちらです。
街がクリスマスムードに湧いている頃ですが、クリスマスのルーツは古代ヨーロッパの冬至です。1年で1番夜が長く翌日から陽が伸びていくので、太陽が生まれ変わる日とされ、陰が極まり再び陽にかえる日という意味の「一陽来復(いちようらいふく)」といって、冬至を境に運が上昇するとされています。

お馴染みのかぼちゃ(南瓜)は、“ん”のつくものを食べて“運”を呼びこむための「運盛り」のひとつですし、冬至粥は小豆で邪気を祓うためのもの、かぼちゃと小豆のいとこ煮はダブルパワーがあるわけです。柚子湯も一陽来復に際して身を清める禊ぎに由来していますから、新しい年に福を呼ぶためにも、風情あふれる冬至の行事ははずせませんね。
■冬至の詳しい説明と楽しみ方は⇒こちら

 

クリスマス(12月24日~25日) ~世界の人々とHappyに

クリスマスに和菓子も乙なもの!クリスマス用の創作上生菓子がネットで買える時代です(京菓子司・甘春堂)。
こうして冬至を楽しんだら、クリスマスでさらに気分を盛り上げましょう。クリスマスはイエス・キリストの降誕祭ですが、世界中の人々、とりわけ子供達にとって大きな行事のひとつ。各種イベントは様々な人々と親交を深めるチャンスですし、クリスマスプレゼントは、身近な方への感謝や、来年のための今年のご褒美としてもステキですね。
■クリスマスを楽しむ情報は⇒こちら


さらに、年の瀬の情緒を満喫しに出掛けましょう >>>
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