姉様結び、矢の字結びとは? おしゃれで大人っぽい浴衣の帯結びを解説
大人っぽい浴衣帯の結び方「姉さま結び」「矢の字結び」。せっかく浴衣を着るのですから、さらに後ろ姿で差をつけましょう!
そこで、簡単にできるのにとてもお洒落で大人っぽい「姉さま結び」と「ヤの字結び」を、カスタムメイドキモノで人気の「おきぬ屋さん」ディレクター兼デザイナー・岩熊裕子さん(取材当時)に教えていただきました。
岩熊裕子さん/「おきぬ屋さん」ディレクター兼デザイナー(取材当時)。イラストやデザインの仕事で活躍していましたが、着物好きが高じて「おきぬ屋さん」の創立時から、企画、デザインなど全てを手掛け、キモノ業界に新風を吹き込みました |
<目次>
◆浴衣の着つけ方はこちらをご覧ください。
- 苦しくないポイント満載……浴衣着付け簡単7STEP!
- よくわかる写真満載……着付けのいろは
◆今回使用しているのは リバーシブル帯! 裏面を見せることで同じ結び方でも違う表情が出せる優れモノです。「浴衣の帯のアレンジ~リバーシブル帯」でそのテクニックをご紹介しています。
それでは、出来合いの付け帯を卒業してお洒落な帯結びで出かけましょう!
前で結んで後ろに回す浴衣帯の結び方「前結び」は失敗せず簡単!
今回は誰でも手軽に結べるよう、前で結んでから後ろに回す方法でご紹介します。正面の鏡を見ながら結べるので、後ろで結ぶより格段に楽にできて形もきれいに整います。体が固かったり、後ろでは十分に力が入らない方でも大丈夫(ガイド三浦はいつもこの方法です)! 回すときに滑りがいいよう、絹の伊達締め(帯の下に締める幅の広い紐)を使うといいでしょう。粋でおしゃれな浴衣帯の結び方「姉さま結び(姉様結び)」
「姉さま結び」は粋でおしゃれな浴衣の帯の結び方
岩熊さんの経験では、見知らぬ方から「それどうなってるの?教えて!」と声がかかる筆頭がこの姉さま結びだとか。着物の帯結びの基本であるお太鼓結びの変形なので、きちんとした印象があって着崩れしにくいのもいいところ。浴衣姿がグレードアップする結び方です。
◆準備するもの:半幅帯、帯締め、ひも(30cm程度。なんでもOK)
~ では、正面の鏡を見ながら結びはじめましょう ~
次に胴に二巻きしたら、正面で手先をかぶせるようにしてひと結びする(右肩にあるのが手先。下がタレ)。
中心にタックを取り、ひもで結んで羽根(リボン状)にする。
垂れ下がっている正面の柄がお太鼓になりますから、リバーシブル帯などで出したい柄が出ていない時は、根元をねじって柄が正面にくるようにしておく。
◇チェック!:羽根の上に一重巻かれた状態になりましたか?/タレ先が上にありますか?/下の部分は輪になっていますか?
◇チェック!:後ろ側の帯締めの位置は下部のままでOK。正面に合わせて水平にしてしまう(中心に移動させてしまう)と姉さま結びが不安定になるのでNGです。
簡単お洒落な浴衣帯の結び方「ヤの字結び(矢の字結び)」
「ヤの字結び」は粋でおしゃれな浴衣の帯の結び方
車に乗車しても崩れないヤの字結びは、男性の貝の口結びに似ています。リバーシブル帯を使うと両柄が出て楽しめますし、フラットなので椅子に座っても着崩れません。結び方は比較的単純ですが、形のバランスをとるのが少し難しいので、事前に練習して自分に合ったバランスをつかんでおくといいでしょう。
◆準備するもの:半幅帯、帯締め
~ では、正面の鏡を見ながら結びはじめましょう ~
◇チェック!:右肩にかかっているのがタレ。先が輪になっています/左手側に下がっているのが指1本分残したタレの先/右手側に下がっているのが手先
浴衣を美しく着るためのワンポイントアドバイス!
直線の美がキモノの基本です |
また、ウエストのくびれがなければ補正は要らないと思いこんでいる方も多いのですが、これも間違い。全くストレートな体型の方はいませんので、きちんと補正をしたほうが美しいのです。
着物の構造をみればわかるように、曲線ではなく直線の美。ウエスト、背中、ヒップなど補正が必要な箇所は人それぞれですが、タオル一枚の差が帯の落ち着き具合や着崩れに大きく影響してきます。出掛けるときはキレイでも、目的地に着く頃はすでに崩れ出し、帰る頃にはぐしゃぐしゃ……ではイメージダウン。
さらに自分で着られると着崩れたときの対処法がわかるので、気付いたときにサッとなおすこともできてキレイな姿を最後までキープできます。どうせ着るなら浴衣美人に!タオル一枚の補正からおしゃれな帯結びまで、ちょっとしたことで雲泥の差が出てしまうのでした。
カップルでいなせな浴衣……間違いなく注目の的でしょう |
< 取材協力 >カスタムメイドキモノ「おきぬ屋さん」
■浴衣レッスンシリーズ