穏和な性格のグレーンウイスキー
知多蒸溜所の連続式蒸溜機。何塔もの塔からなる蒸溜マシーンだ。 |
前回の入門編、「蒸溜ってなんだろう?」でモルトウイスキーの製造方法を述べた。もうひとつ、グレーンウイスキーというのがある。モルトウイスキーとこのグレーンウイスキーをブレンドしたものがブレンデッドウイスキーである。
かつて「ウイスキーのダシの歴史1」という記事で、連続式蒸留機の話やグレーンウイスキーについては詳しく述べているので、一度そちらをお読みいただきたいのだが、一応ここでも簡単に述べておく。
グレーンウイスキーがモルトウイスキーと大きく異なるのは、原料にとうもろこしや小麦といった穀類を用いること、蒸溜においてはモルトウイスキーが単式蒸溜器を使用するのに対して連続式蒸溜機を用いる点だ。そして酒質が穏和で軽やか。モルトウイスキーにブレンドすることにより、モルトウイスキーの強い個性を和らげ、口当りの良いなめらかな飲みやすさを生む。
では、モルトウイスキーとブレンドすることなく、連続式蒸溜機を使ったウイスキーで有名なものは何かというと、とうもろこしを主原料にしたバーボンウイスキーがある。アメリカのケンタッキー州でつくられていて、独特の暖かな日なたのような香り、バニラのような甘い味わいのウイスキーだ。
いま人気の飲み方、ハイボールで味わっても旨い。
バーボンウイスキーのこの香味特性は使っている貯蔵樽に由来する部分も大きいのだが、バーボン樽については今後の貯蔵熟成の話で述べたいと思う。
単式蒸溜器で蒸留するバーボン
ウッドフォードリザーブ 750ml/43%/¥5,400 |
ウッドフォードリザーブ。バーボンで唯一スコットランド製の銅製ポットスチル(単式蒸溜器)で3回蒸溜をおこなっている。これは他のバーボンウイスキーと飲み比べていただくのがいちばんだ。ウッドフォードリザーブは樽香と柑橘系の香りが特長的な芳醇なバーボンだ。かすかにスモーキーさもあり、まろやかでスムーズな味わい。
バーボンウイスキーにもいろいろあるから、是非試していただきたい。
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