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ウイスキー&バー/ウイスキーが「分かる」人の飲み方

シングルモルト白州は若い飲み手におすすめ

近年のハイボールブームによって、ウイスキーに活気が戻りつつある。そして若い人たちから「どんなウイスキーを飲めばいいですか」とよく聞かれるようになった。わたしは森林浴をしなさい、と答える。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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ウイスキーに目が向いてきた

パーティー会場の様子
18年/700ml/43度/¥20,000
12年/700ml/43度/¥7,000
10年/700ml/40度/¥4,000
近年、若い人たちの酒離れが話題になることが多い。そんななかで昨年のウイスキーは健闘したといえるだろう。2~3年前からソーダで割るという飲み方が少しずつ浸透していき、ようやく花開いた。角ハイボールの一人勝ちといった面で語られもするが、それでも多くの人をウイスキーに目を向けさせることはできた。

最近20代から30代前半の若い人たちに「どんなウイスキーがおすすめですか」とよく聞かれる。これもハイボール効果であろう。全部がおすすめなのだが、とりあえず口当たりの滑らかなブレンデッドをすすめる。
シングルモルトは昨年の記事「最新のシングルモルトランキング10」を思い出して、日本で一般によく知られ、よく飲まれているものを伝える。
山崎、余市、ザ・マッカラン。このベスト3は飲んでみなさい。次にザ・グレンリベット、グレンフィディック、あとはボウモア、ラフロイグといったアイラモルトを知るといい。そこからいろいろ広げていってみたらどうだろう。そういう無難な答え方で、場をしのぐ。
で、最後に、若い人たちは白州(はくしゅう)と付き合っておくと面白いよ、と言うのだ。

ヨーロッパでも高評価を獲得

シングルモルトウイスキー白州12年は1994年に発売されたが、わたしは飲み手としてずっと見守りつづけている。後に10年が発売され、2006年に18年、2008年には25年と長期熟成ものが登場した。
飲みつづけていると、とくに近年、格段と香味が磨かれ、より重層的な厚みのある味わいとなっていることに気づかされる。白州蒸溜所は1973年に開業したが、現在までの間に、職人たちが白州の環境でつくり得る最高の香味を模索、追求しながら技術革新をつづけていることがわかるのだ。これは海外の権威ある酒類コンペティションでの受賞歴にも表れている。
2006年、18年ISC金賞
2007年、18年IWSC金賞
2008年、25年ISC金賞
2009年、18年ISC金賞
25年、12年IWSC金賞
こうした受賞歴があるが、開業から30数年で18年、25年の長期熟成ものが賞を獲得することは驚異といえる。そしてヨーロッパのウイスキーイベントやセミナーなどでも、重層的な香味としてマニアから高い評価を得、人気が出はじめている。
今後もつくり込みのさらなる改良、革新が試みられながら世界品質としての地位を固めていくことだろう。いま20代の飲み手が50歳、60歳になったときにはどんな洗練をみせるのか、期待は大だ。残念ながらわたしの場合、この世に存在していないかもしれない。若い飲み手の方たちに、味わい、見守っていただくしかない。
すすめる理由はまだある。それは街での森林浴効果だ。次ページでは森が薫るウイスキーの良さについて語る。(次ページへつづく)
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