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米大統領と酒3/禁酒法とNY21クラブ(2ページ目)

1933年、禁酒法が解除された4月7日のホワイトハウス。禁酒法下で名声を得、フランクリン・ルーズベルトからブッシュまでのすべての歴代大統領が訪れているN.Y.21クラブの話を紹介する。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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禁酒法下、極上品の酒

戦中の海軍御用達の角瓶
21クラブのコレクションのひとつに、戦中の海軍御用達の角瓶がある。
ふたりは司法次官にすべてを認め、罰金を支払う。ところが当局に没収された酒が極上品ばかりだとわかり、効果的な宣伝となる。新聞が好意的に書き立てたからだ。
1929年、ふたりのそれまでの店は賃貸期限が切れて他へ移ることになる。落ち着いた場所が西52丁目の21番地。これが21クラブのはじまりである。
この時にはすでにニューヨークの名士たちの間に最高の料理と酒をサービスしてくれる店として知れ渡っていた。

アメリカのこの禁酒法、製造、販売、輸送などは禁じたが酒を飲んじゃいけないって訳ではなかったから、いろんなところで矛盾が露呈する。人々は酒が手に入らぬことなどない、とわかっていた。法を守る意識はなく、禁酒法下で飲むことが遊び感覚でおこなわれる。
ブームを読んだのがカクテル。バーテンダーも客もジュースだと言い張り、当局の目をごまかすことができた。

イカリ印、海軍御用達の角瓶がある

21クラブには膨大な酒のストックがある。その中に、貴重なジャパニーズウイスキーのボトルも保管されている。角瓶。それも戦中の海軍御用達のイカリ印のマークが入ったラベルのものだ。ここでは詳しくは述べないので、サントリーの『とっておきの一軒 ニューヨーク特別編』をご覧いただきたい。どんなふうに保管されているかが書いてある。

何年も前のことだが、21クラブで食事をしたことがある。友人にご馳走になり自分で払ったわけではないが、メインディッシュが40~50ドルといったところだった。
バー・ルームでは著名人たちのお気に入りだった席で愉しむのもいい。わたしはニクソン大統領の席に座った。オリジナルカクテルのひとつ「シーサイド」をおすすめする。
ニューヨークなんか行かないって人は、映画でどうぞ。ジョージ・クルーニー、ミシェル・ファイファーの『素晴らしき日』に、21クラブのシーンがある。

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