冬も旨い、冴えた一杯
『鉄蔵』のハイボールは、メニューに『究極のハイボール』と書かれている。一杯がボウモア12年、ラフロイグ10年ともに¥650。山崎12年、白州12年ともに¥700。上/冷凍庫で冷やされた白州のボトル。霜がびっしり!下/皮がパリッと香ばしい地鶏の岩塩焼(¥550)とぷりぷりのイカゲソ(¥300)。これがほんとに旨くて、ついグラスがすすむ。 |
前ページで述べた通り、グラスもボトルも冷凍庫のキンキンの中にあり、ドワッと霜がついた状態で手際よくサービスされる。大きめのタンブラーに氷も入れて登場するから、キーンと冴えた一杯だ。
口にするほどにキーンは薄れ、シングルモルトの香味がムクムクと立ってくる。
これはね、暑い夏が旨いと思うだろうが、実は冬場もなかなかいいんだ。寒い中を歩き、店に到着する。暖房が効いた暖かい店内で、冴えた一杯を飲むのは本当に旨いよ。
雪国を想い出してごらんなさい。暖かい部屋で冷たい生ビールを飲む旨さったらない。
鉄板焼にグラスもすすむ
で、平蔵は食べる訳がないが、地鶏の岩塩焼(¥550)が最高。ここは鉄板焼がメインで、大きな鉄板で繊細に大胆に素材を焼いてみせる。京都の一休堂のコショウをちょこっと振って食べると、鶏が旨いんだな。皮がパリッとしてて、肉はジュワッとジューシー。チーム・キャッツアイはキャッキャッ言いながら食べていた。
もうひとつのキャッキャッはイカゲソ(¥300)。これは焼き方もいいが、イカも高級なんじゃないかな。プリプリしながら柔らかい。まあいずれにしてもハイボールはガンガンとすすむ。
他には豚バラにんにく醤油焼(¥500)もおすすめだ。ガーリックチャーハン、鶏そば(ともに¥500)なんてのもあって、小腹が空いている時には最高。
18時の開店と同時に新宿大通りの大店で働く通いの女仕用人、つまり女性会社員がふたりほど入ってきた。ハイボールを飲む。いいじゃないの。GOOD!まったく肩の凝らない、いい店だよ。時間が経てば、近隣の会社員たちが続々と集まってくる。
最後に冨沢店長は「ヘイ」とか変な江戸弁を使うことはないからご安心を。
このシリーズ、『ウイスキーが手招きする店』を是非ご覧いただきたい。