笑みがこぼれる焼きフルーツ
その一品は“焼きフルーツ盛り合わせ ヴィンコットとキャラメルのソース”(¥1,200)と名付けられていた。バター、オリーブオイル、グラニュー糖で焼かれるフルーツはリンゴ、キウイ、バナナ、グレープフルーツといった面々で、なんだか笑えるのだ。どんな味わいだろうと思い巡らす前に、焼かれているフルーツの姿が私には可笑しくて、チャーミングですらあった。
上/焼きフルーツ盛り合わせ ヴィンコットとキャラメルのソース(¥1,200)。下/ボウモア12年(¥1,000) |
今回もチーム・キャッツアイのふたりの女性に連れられていったのだが、彼女らの顔にも興味津々の笑みがあった。
キウイなんぞ、これって茄子みたいと感じさせられるのだが、口にすると芋のような感覚の中からキウイ本来の味わいが「コンニチワ」と登場する。面白いよ。
ソースがまたいい。キャラメルの甘さとぶどうを濃縮したジュース、ヴィンコットの酸味が焼きフルーツの味わいとバランスよく調和する。
ボウモアハンバーグを存分に堪能した後に焼きフルーツを食べたのだが、2品とも新鮮な風味で満足この上ない。芳しいフルーツたちがまたボウモア12年を誘うのだ。バーでは決して体験できない旨さ。ウイスキーの世界に広がりをもたせた『円居』に感謝する。
厳選極上のオイルは芳しい
『円居』は鉄板焼の店だから、まあ皆さん肉を目当てにやってくる。するとワインということになるのだが、ワインリストばかり見つめないで、たまにはウイスキーを愉しんでみてほしい。コース料理として、プリフィクスコース¥5,500、幻の特選素材コース¥7,500、特選ステーキコース¥10,000がある。でも私はすてきなハンバーグがあるくらいだから一品料理で攻めていくな。
肉は黒毛和牛の他に、幻の地鶏と呼ばれる東京軍鶏、沖縄豚のあぐうといったものまである。
それと10種類以上ある極上オイルを使いわけて焼き上げる点が素晴らしい。素材によってオリーブオイル、トリュフオイル、こめ油、ごま油、紫蘇オイルなどが登場し、香り豊かな焼き上がりをみせる。一度訪ねたら、次回は何を試そうかとの思いが募る店である。
おすすめINDEX『ウイスキーが手招きする店』を是非ご覧いただきたい。