上/人気の2銘柄、『グレンギリー10年』(¥945)と『白州12年』(¥1,155)。下/クリームチーズと漉した味噌の相性が抜群の『もろ味噌チーズ』(¥683)。これでウイスキー3杯はいける。 |
1位はグレンギリー10年(¥945)。甘くモルティでスパイシーさも併せ持ち、コクのある味わいが特長の東ハイランドの酒だ。
2位は白州12年(¥1,155)。爽やかな香りとフルーティなコクがある。船木氏は「刺身と意外と合うんですよ」と教えてくれた。
3位はラフロイグ10年(¥1,155)。濃密にピートを焚き込めた強烈な香りとドライな味で、シングルモルトファンなら誰もがはまる人気のアイラモルトだ。
船木氏はシングルモルトの一杯を小さなお盆に載せてサービスする。グラスの中には45mlのシングルモルトと氷、そして小さなピッチャーに水が入れられている。
「水の足しようによって味がいろいろと変わる。その変化を愉しみ、自分の味わいをみつけていただけたら嬉しい」
船木氏はこう語る。その水は鹿児島の奇跡の水といわれる垂水の温泉水である。超軟水だけあってウイスキーの香味を大きく損ねることはない。
もろ味噌チーズで3杯いける
ここはちょっとした肴が非常に旨い。ホヤの塩辛(¥840)、オコゼの酒盗(¥1,050)などおすすめだが、私が気に入ったのはもろ味噌チーズ(¥683)だ。この一品があれば、私の場合ウイスキー3杯はいけちゃう。クリームチーズと漉した味噌の相性は最高で、まったりととろける甘みがいい。もろ味噌チーズとグレンギリーをクイックイッと飲んでたら、「いつもお出しできる訳ではありませんが、天然帆立の肝の刺身とアイラモルトがよく合うんですよ」と船木氏が教えてくれた。ありゃりゃである。これを聞いたからにはまた訪ねなくては。
直線の長いカウンターは16席もある。5人程度のソファー席もひとつある。それらの席に似つかわしいのは、30代半ば以上か。40代~50代の男性が多いのは頷ける。
私は30代の美しい女性ふたりと出かけたのだが、ふたりとも非常に喜んでいた。女性にも気に入られる豊かな味わいの店でもある。
前回のこのシリーズ『吟ばん』もご一読いただきたい。