もう一度、チャージ料ってなんだ。
まずお断りしたい。このシリーズの前回で、次回は嫌われる客について書くと伝えたが、気が変わってしまった。申し訳ないが今回はこれまでいただいた読者の方々の感想をもとにいろいろと述べてみたい。
嫌われる客に関しては、私の経験談というか自分自身の失敗談について書けばいいので、いつでも発表できる。
さて、前回の『チャージ料ってなんだ』においてさまざまな感想をいただき、大変嬉しく思っている。ただ私としては反省もある。ちょっと誤解を生じやすい内容だった。
もう一度簡単に述べる。チャージとは席料のこと。バーによってその料金はさまざまに異なり、またチャージを取らないところもある。そして次が問題の誤解されるんじゃないかと私が気にしている点で、ナッツやチーズなどのオーダーもしていないのに出されるおつまみは、それは店側のサービスであると理解していただきたい。
多くの店はあくまでサービスとして出している。だから「いらない」と断ってもチャージが無料となる訳ではない。これだけは承知しておいていただきたかったのだ。
店にとってはナッツといった乾き物を出すのは、実は大いなる無駄なのだ。食べる人、食べない人、客にはいろいろいて、生ゴミとして処分しなければならない量もかなりのものだ。
ただそれなりの額のチャージを取る店は、サービスもそれなりのことをしてくる店が多い。たとえばトイレから戻る度にふかふかのおしぼりが渡されたり、季節のフルーツと吟味されたチーズにリキュールのソースがかけられ、しかも極めて高級な皿で供されたりする。この手のバーはチャージ2,000円とかになるし、またチャージ1,500円で、サービス量10%を取ったりもする。
そんなに高いの、と驚く人もいるかもしれないが、こういう店はやはりそれなりの良さがあり、それなりの人と一緒に行けばいいのだ。また女ともだちとふたりでオドオドしながら行ってもいい。背すじの伸びた、素敵な飲み手として振る舞ういい機会となる。
もちろん、チャージ無しでもいい店はある。美しい花を飾り、ウイスキーやカクテルのグラスもよし、氷も固く締まってもいる。大阪の『ハーバー・イン』などその典型だが、ここはオードブルや乾き物はいっさい出てこない。
オーナーの藤田氏はこう語る。「海外からのお客様は、チャージを取るとほとんどの方が嫌な顔をされますね。その顔を見たくないから、チャージは無し。だから余計なサービスもしません」。この潔さが私は好きだ。
では次頁では反響の大きかったトイレについて語ろう。