店の良し悪しとチャージ料は無関係。
女性がひとりでバーに行く。これは非常に勇気がいることだと思う。寿司屋と同じように敷居が高いという人もいる。純粋に酒を愉しむ場所での緊張感、恥ずかしさ、中には威圧感さえあるとも。すでに行きつけのバーがある女性にとってはなんでもないことが、不慣れな人にはとてつもなく不安なのだ。
3月10日発信のこのシリーズの記事2で、女友だちとふたりで行け、と書いたのはこのためだ。記事2はFor Lに同時掲載されたためアンケートも付けられており、反響がさまざまにあった。最も驚いたのが回答をいただいた女性の6割がバーへ行ったことがない方だった。最近バーで女性を見かける姿が多くなってきたとはいえ、まだまだ少数であることを再認識させられたのである。
さて、今回はチャージ料について書こう。
チャージを取らない店もあれば、500円、1,000円、1,500円、2,000円などさまざまにある。よく調べた訳ではないが、私が全国をまわった経験から言うと、東京はチャージ料をしっかりと取る比較的高い店が多い。大阪を中心とした関西はチャージ料は比較的安い。地方では北海道がしっかり取る店が多いように思う。
チャージ料が高額だからいい店か、無料だからいい店ではないのか、と質問されることがあるがそんなことはない。気取り過ぎて堅苦しい店もあれば、居酒屋的で気軽な店もあるように、バーの良し悪しはそれぞれの客の胸の内にあるものなのだ。
オーセンティック(正統派)であろうが、大衆的であろうが、カウンターに立つバーテンダーとの波長が合うか合わないかが重要であり、チャージ料は関係ない。
ただチャージ料は取らないという店というのはサービスが簡略化されていると思えばいい。おしぼり、オードブル、生花、グラス、氷といったものに手間暇かけたり、投資をしていない場合が多いのだ。
たとえば氷。氷屋から仕入れ、包丁で切り、グラスに合うように整形して、さらに冷凍庫で一晩硬く締める店がある。そんな氷はウイスキーをロックで飲んでもなかなか溶けない。反対に製氷機でつくったゆるゆるのキューブ・アイスを使う店もある。これだけでもチャージ料が違っていて当然だとわかるのではなかろうか。
だからといってキューブ・アイスの店は駄目かというと、そうではない。それぞれに良さはある。