まずは女友だちとふたりで行き、
バーテンダーを味方にする。
バーという空間に慣れていない人は、まずは女友だちとふたりで出かけることをすすめる。女性ひとりはやはり好奇の目で見られる。
男性は邪魔だ。場数を踏んでいる男も、女連れとなるとすぐに知ったかぶりをして、ああでもないこうでもないといらぬ知識をひけらかす。女性の初心者を自然体でエスコートしながら、バーテンダーとの距離を上手に縮めることができる男性は悲しいかな、あまり見かけたことがない。
女友だちとカウンターに座ったならば、恥ずかしがらず、バーテンダーに場慣れしていないことを告げる。何を飲んだらいいかわかならい、と告げてもいい。
そこで隣で飲んでいる男性が「初めてなの」と声をかけてきても、男の顔は見ないで、軽く頷いて後は無視すること。こういう他人の時間の中に勝手に入り込んでくる奴にはロクなのがいない。
とにかくバーテンダーに受け入れてもらい、気持ちを受け止めてもらうことに徹することだ。彼らは優しい。必ず味方になってくれる。
カクテル名は知らなくていい。
好みの味覚を伝えること。
バーテンダーはプロである。美味しいカクテルがつくれて当たり前。
彼らは必ず聞いてくる。普段どんな酒を飲んでいるか。好みの味。たとえば酸味が入っても大丈夫か、またアルコール分が強くても平気か、などと。それに正直に答えることだ。そして後は彼らの感性と技術にまかせる。
カクテル名など知らなくていいのだ。できあがる間はタリラリランと友だちと無駄話をしたり、バーテンダーのつくる姿を眺める。手元にカクテルが置かれたら、その名を聞く。それが自分の味覚に合致したならば名をしっかり記憶する。これでいいのだ。
飲みながら、バーテンダーが何か話しかけてきてくれたなら応じること。男性は邪魔だといったのはこのこと。バー入門者にはバーテンダーがパートナーとなってくれるのだ。男性はバーテンダーで十分。最近は女性バーテンダーも増えたが、最初は異性に優しくエスコートされた方がいいと私は思う。
写真/佐藤慎吾
居酒屋とは違う非日常の中で、
背伸びして遊んでみる。
さて気になるのは料金。とりあえずの目安を教えよう。
雑誌のバー紹介でチャージ¥1,000、カクテル・ウイスキー¥1,200~と記載されていたとする。この場合、1杯の目安を少し高めの¥1,500と設定するといいだろう。3杯飲んで、チャージ料を含むと¥6,000でお釣りがくる。
これを高いと思わないで欲しい。いつもよりちょっと背伸びして、非日常に遊んでみることが面白いのだから。
酒が飲めない人もバーは受け入れてくれる。美味しいノンアルコール・カクテルつくってくれる。早い話、ミックスジュース。友だちが酒好きで、たくさん飲む人だとしても、自分はノンアルコール・カクテルの後、ウーロン茶やコーラを飲んで愉しめばいいのだ。
よく何杯ぐらい飲めばいいんですか、と質問してくる人がいるが、ルールはない。まあせめて2杯は飲むと格好はつく。知り合いの30半ばの女性でいつもカクテルを2杯、締めにウイスキー1~2杯飲んでそよ風のように帰って行く人がいるが、彼女は粋だなと思う。
写真/吉川譲
この記事は女性のためのシリーズです。
第1回目は『女性へすすめるバー入門書』
おすすめINDX『▼Barで飲もう』では、日本各地のバーを紹介しています。
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。