アイリッシュウイスキーをベースにした古いカクテルを紹介する。
名は『シャムロック』。シロツメ草、三つ葉のクローバーの形をしたアイルランドの国花を冠したものだ。
アイルランドの守護聖人、聖パトリックが5世紀にキリスト教を伝道する時、シャムロックを使ったといわれている。それまでアイルランドはケルト人が古くから信じるドルイド教が主流だった。カトリックを広めるにあたり三つ葉で三位一体を説いたのだ。
つまり父と子と精霊である。ちなみに四つ葉は十字架にたとえられ、幸福のシンボルとされる。
さてカクテル『シャムロック』だが、これはアイリッシュウイスキーにハーブをミックスした香味である。私の好むレシピは下記の通り。
Shamrock
ジェムソン(アイリッシュウイスキー) 40ml
ノイリー・プラット・ドライ 20ml
シャルトリューズ・ヴェール 3dashes
ペパーミント・ジェット27 3dashes
上記材料をステアして、グラスに注ぐ。
ドライ・ヴェルモット、シャルトリューズ、ペパーミント、この3種ともすべて香草を配合した酒だ。
ただ通常はウイスキーとヴェルモットを半々のようなのだが、私はウイスキーを効かせて欲しいので倍の量にしてもらっている。またシェークが一般的らしい。
シェークのふくらみのある香味もいいが、ステアのドライなキレ味の方が好みである。色もステアの方が神秘的だ。ゴールドの中に緑が絶妙に潜んでいる。