『日本のグッドBAR』(新潮OH!文庫)は、9月10日に新潮OH!文庫から刊行した。


私が長年にわたり日本全国のバーを巡った中で、この過去5年間に訪ねたバーの中から印象に残った53軒のバーを紹介している。単なるバー・ガイドではなく、ベテランバーテンダーの情味や阪神・淡路大震災に遭ったバーテンダーの生きざまなど、短文に簡潔に収めている。


流氷のオン・ザ・ロックを出す網走のバーから、砂浜までわずか20歩足らずの海の近くにある沖縄のバーまで、北から南、さまざまなバーの酔い心地がある。ただバーという空間は、バーテンダーの流す波長との相性が、行きつけになり得るかどうかを左右する。内装がいくらよくても、ボトルの数がいくら多くても、それだけでは行きつけの店とはならない。


紹介したバーはそれぞれに違う顔を持つ。バーテンダーの流す波長も異なる。でもカウンターに着くとひとりひとりの客の心情をしっかりと受け止めてくれるバーテンダーたちばかりだと信じている。


記事を読まなくても、バーテンダーのポートレートだけでも眺めてほしい。みなさん素敵な表情で登場していただいた。彼らの表情から、バーテンダーという仕事とはいったい「何か」をつかめるはずだ。


自分でも53軒ではもの足りないとも思う。地域やバーテンダーの年齢を考慮して幅広く選び、悩んだ結果53軒という数になった。紹介したいバーはまだだくさんある。そしてこれからもグッドBARを探しつづけたい。

旅行に、出張に、必携の一冊になるように書いた。
どうかご一読を。
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