さて、ここからはデザートです。手前のチュイールの下は、ラ・フランスをサフラン風味でコンポートしたもの。そして奥のグラスは、コンポートしたときのシロップをジュレで固めています。
ラ・フランスとジュレは、どちらも同じ味。つまり、ちゃんと時間をかけて中まで味が染み渡るようにコンポートしているということ。同じであるがゆえに、食感の違いから来る味の違いを楽しめます。やわらかい果実は、すぐに甘みを口内に広げる優しい味。それに対して、ジュレの方は口の中で溶ける、その一瞬の間に力をためこんでいたかのように、一気に甘みを感じさせてくれます。シンプルなようでいて、なかなか奥深いデザートです。
・エピス自家製チーズケーキと大葉のアイスクリーム
こちらは以前の訪問時にいただいた「人参のクリームブリュレ」 |
無農薬栽培の、こだわりフレッシュハーブティー |
コーヒーには選べる楽しさも |
料理は京都らしく、全体にあっさりとした味わい。それだけに、野菜の持つ旨みが強く印象に残ります。それぞれの料理を見ていくと、けっして変わった料理というわけではありません。しかし、京都の老舗フレンチ「ボルドー」などで、じっくりと修業をしてきたシェフの技術はとても確かなもの。しかも、木棚やベルナルドーなどの食器を使ったプレゼンテーションでも楽しませてくれます。
「当たり前」のその先へ
このレストランが良いのは、当たり前のことを当たり前にこなした上で、その一歩先を目指していることでしょう。町屋も自然栽培の野菜も、シェフにとっては当たり前。その上で、良い素材を使って、しっかりした料理を面白いプレゼンテーションで楽しませてくれます。しかも井尻シェフはまだ31歳、これからがますます楽しみです。暖簾には恵比須さんの絵が。よく見ると「゜」をつけてあり、これで「エピス」と読ませています |
■「エピス」
所在地:京都府京都市上京区寺町通り今出川下る真如堂前町105
TEL: 075-222-2220
定休日:水曜日
営業時間:昼 11:30~14:30(ラストオーダー)
夜 17:30~21:00(ラストオーダー)
交通・アクセス:京阪 出町柳駅より徒歩約6分
地図:Yahoo!地図情報
HP:エピス