陽気で真面目なシェフ、ステファン・パンテル氏
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お店の前で。シェフのポーズ、キマってます! |
前述したように、シェフのステファン・パンテル(Stephan Pantel)氏は、「フィリップ・オブロン」のスーシェフを経て、自らがシェフに。それ以前は、ニースの名門ホテル「ホテル・ネグレスコ」や、以前紹介した三ツ星シェフ、
ギィ・マルタンのレストラン「グラン・ヴェフール」等で修行。6年前、「ホテル・ネグレスコ」時代から親交があるデビッド・セニア氏(現「レストラン デビッド・セニア」のシェフ)の引き合いもあって来日。セニア氏とは「兄弟のような付き合い」(マダム・セニア談)だそうです。
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前菜の紫ネギを説明してくれる表情は真剣そのもの |
食材もひとつひとつを厳選。大原の朝市にも顔を出し、料理人同士の交流も深めつつ、また、畑に行って自ら野菜を収穫するなど、特に野菜へのこだわりを持っています。「普段は料理されるんですか?」と聞いてみたところ、「スーパーの野菜では料理をする気が起きない」だそうで。まだ6年目の日本なのに、スタッフやお客さんとの世間話まで日本語(関西弁)で、陽気にしゃべるパンテル氏。しかし、カウンター越しに料理をしている姿、野菜の説明をしてくれるときの表情は真剣そのもの。カウンターをどうしても作りたかったという理由もわかる気がします。
自由に広がる発想がこれからも楽しみ
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フォアグラのテリーヌに奈良漬けを巻きつけ熟成させた前菜 |
料理は全体的にはあっさりめ。京都らしい味付けになっています。シェフ自身、最近は日本の味に慣れてきたそうで、いたずらに塩味のキツいものより、しみじみと奥深い味わいを好むとのこと。パンテル氏と話していると、ときどきフランス人と話していることを忘れそうになるほど、彼は日本人、いえ、関西人です(納豆が嫌いらしいです。僕は関西ジンなのに食べますが)。しかし、素材の組み合わせに、日本人にありがちな「枠」がない。フォアグラを奈良漬けと合わせたり、生のへしこを焼いて、温泉卵と合わせるなど、フランス人ならではの自由な発想が垣間見られます。
そして、何よりのごちそうは、カウンターゆえのライブ・ショウ。明るいキャラクターのシェフを中心に、いつの間にかお客さん同士が仲良くなってしまいます。料理だけではなく、「素敵な時間を過ごせた」という記憶が何よりも幸せな記憶を与えてくれます。
<店データ>
■「
KEZAKO(ケザコ)」
所在地:京都市東山区祇園町南側570-261
TEL:075-533-6801(要予約)
定休日:水曜休(祝日の場合は営業)
営業時間:昼 11:30~13:30(ラストオーダー)
夜 17:30~21:30(ラストオーダー)
席数:22席(カウンター10席、テーブル12席)
交通・アクセス:阪急河原町駅から徒歩15分
地図:
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