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「べにふうき」のその後(2ページ目)

花粉症に効くといわれる「べにふうき」。まだ緑茶としての生産がすくなく入手が難しいといわれています。そのため昨年は凍頂烏龍に人気が集中。今年はどうなのでしょう。その後を追ってみました。

執筆者:平田 公一

べにふうきはなぜ入手しにくいか。

べにふうきは、紅茶用品種として育成されてきたために、緑茶としての生産体制が整っていませんでした。

紅茶にしてしまうと、そもそもその抗アレルギー作用のあるカテキンを変質・消滅させてしまうことになるため、緑茶であることが求められたのですが、緑茶として量産されるには一定の年月が必要であることと、紅茶品種特有の「渋み、苦み」を克服しなければなりませんでした。

現在、高温で釜炒りする方法を採用することで「渋み、苦み」を減少させる試みがおこなわれたり、抹茶にすることによって、飲みやすくするなどの方策が試みられています。さらに、加湿温風で酸化発酵をストップさせる新しい荒茶製造機「シーマ」などを駆使して作られる(シーマ製法などとも呼ばれているようです。)ようになっているようです。

今年も2月13日に静岡市の静岡茶市場で「試飲会」が開かれるなど、「べにふうき」のプロモーション活動も行われおり、大手ベンダーであるアサヒ飲料などもこの分野に進出するなどの公表が行われています。

その結果、わずかながら市販されるようになってきました。しかしながら、まだまだその作付け面積はすくなく、販売しているお店もわずか。今日現在、ネットでべにふうきを市販しているところをあちこち探し回りましたが、残念ながらことごとく完売状態です。早く、市販できるぐらいに生産が行われるとよいのですが、おそらくあと数年は期間が必要なのではないかと思われます。

べにふうきの代替品

「べにふうき」は入手できないし、そもそも「べにふじ」などというお茶には、ほとんどお目にかかれないという状態のなか、「べにふうき」の代替品としては、どんなお茶があるのでしょう。

昨年は凍頂烏龍茶がもてはやされましたが、そもそも、その前に「青心大有」や「大葉烏龍」(これは本当は凍頂烏龍ではない。)という品種の茶よりも「べにほまれ」、「おくみどり」というお茶の方が断然メチル化カテキンが多く含まれています。

残念ながら「べにほまれ」も、「べにふうき」同様、紅茶の品種として育成されてきたところから、作付け面積は狭く、状況はほぼ「べにふうき」と同じ状況にあるようです。ネットでもわずかに販売しているお店はあるようですが、こちらも入手は難しそうです。

一方、「おくみどり」は、1974年に登録された比較的新しい品種で、緑茶向けに生産されています。やぶきたよりも遅い時期に摘まれるお茶で、害虫などにも強いことから、一定の生産が行われています。そのためこのお茶は、比較的入手がしやすいのではないかと思われます。

さて、問題の凍頂烏龍ですが、そもそも実験では、「大葉烏龍」と「青心大有」が使われており、凍頂烏龍のメイン品種である「青心烏龍」の効果は未知としか言い様がありません。台湾の烏龍茶で大葉烏龍の品種名を明記しているものには、私自身いまだ出会ったことがなく、汐止、七堵、石門、深坑、石碇などで緑茶や包種茶の原料として使われているものです。一方、「青心大有」も、竹東、北埔、峨眉で生産されていますが、どちらかというと東方美人茶の原料になっているものが多いのです。

もし、凍頂烏龍茶が花粉症に効くというのであれば、まずは、青心烏龍という品種にメチル化カテキンがどれだけ含有されているのかが分析されなければなりません。

ですから、「凍頂烏龍茶だけです」という言葉には惑わされずに、台北北部の包種茶や緑茶なども飲んでみることをお薦めします。

いずれにせよ、お茶だけで花粉症を治すというのはむずかしいので、あまりにも一つのものに頼りすぎてしまうのは問題があるのでしょうね。

べにふうきリンク

入手しにくいべにふうきですが、徐々にあちこちで作られているようになっています。そんなことがわかるサイトをいくつか探してみました。

まずは、べにふうきを実際にのんでみませんか。All About スタイルストアでは、べにふうきのティーバッグを取り扱っています。
All About スタイルストア

このサイトには、「べにふうき」の茶畑の様子が、やぶきたとの比較でビデオで紹介されています。
はらま茶園

べにふうきの育成のようすが画像で紹介されています。
本山茶園

べにふうきの摘み取りの様子がUPされています。
錦園

▼ 花粉症とお茶関連参考リンク

花粉症とべにふうき(AAJ中国茶)
花粉症に凍頂烏龍(AAJ中国茶)
凍頂烏龍茶騒動(AAJ中国茶)


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