蜂蜜とパンのコーディネート
白仁田さんのお話によれば、 蜂蜜は草花、樹木、ハーブ、フルーツ、ナッツ、百花蜜、甘露蜜の7種類に分けられます。今回はその7種類が用意されました。(種類の説明)
パンと蜂蜜をあわせるときに、覚えておくといいポイントは、「蜂蜜とパンは基本的に色の濃淡を合わせれば相性が良い」ということでした。白いパンにアカシアやクローバー、黒いパンに栗や森などです。( フランスパン友の会のセミナー参照)
また、ナッツのパンにナッツの、ドライフルーツのパンにフルーツの蜂蜜、というのも好ましい取り合わせです。
今回用意されたのは下記の写真の蜂蜜でした。
左上から時計回りに栗(ナッツ)、ひまわり(草花)、オレンジ(フルーツ)、プロヴァンス(百花蜜)、アカシア(樹木)、ラベンダー(ハーブ)、甘露蜜(甘露蜜)。
前回ご紹介した 蜂蜜に合うパンで、バゲットには「ひまわり」「プロヴァンス」「オレンジ」、カンパーニュには「ひまわり」や「森」、セーグルには「森」というのがおすすめの取り合わせでした。
蜂蜜の色、パンの色。それぞれの色を目安にいろいろ試してみるのも楽しいと思います。
蜂蜜はペーハーがヨーグルトと同様で、甘味のなかに酸味が隠されているのだそうです。だから酸味のあるパンやチーズに非常によく合うという興味深いお話もお聞きしました。
蜂蜜とチーズ
蜂蜜はチーズとのコーディネートも楽しめます。今回セミナー後のミニパーティでは下記の写真のチーズが用意され、実際に試すことができました。軽い酸味のあるきめ細かなシャウルスAOC(左)、刺激がなくマイルドなブルーチーズ、フルムダンベールAOC(右) |
左の写真:ナッツのような風味もあるルブロション・フェルミエAOC(左奥)、製造量輸出量フランス第1位の コンテエクストラAOC(右奥)、イタリアのフレッシュタイプ、マスカルポーネ(手前) 右の写真:チーズケーキのようなクリーミーな濃厚さのフレッシュタイプ、ブリア・サヴァラン |
蜂蜜は一般的にブルーチーズなどのクセをマイルドに和らげより美味しくする効果があるといわれていますが、ほかにもさまざまな食べかたがありそうです。 今回とても美味しかったのがマスカルポーネに甘露蜜という取り合わせ。 コーヒーやナッツを思わせる香ばしさと酸味を持つ甘露蜜と、濃厚なマスカルポーネがティラミスを思わせる、こうしたパーティのデザートにふさわしい味わいでした。
パンをつくる現場にいる人、パンの食事メニューを提案する人がこうした蜂蜜の楽しみを経験し、広げていくことができれば、そして一般の消費者もまた、日々のパンを自分で食材とコーディネートして楽しめるようになれば、日本のパン食文化はよりゆたかになっていくように思います。
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