パン/パンの美味しい食べ方

パンとはちみつの愉しみ【1】

パンと蜂蜜をテーマに開催されたクラブドサントノーレのセミナーのレポート。第1回は大阪ブルディガラ、福岡ジェラールミュロなど伝統製法の美味しいパンの店を立ち上げてきたヤマサキユタカさんのお話です。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

蜂蜜をテーマに

2007年3月に三幸機械株式会社にて開催された、パン業界で働く女性のための会クラブ ド サントノーレの第5回のセミナーの内容をお伝えします。

今回は蜂蜜をテーマに「パンとはちみつの愉しみと、はちみつパンの作り方」と題し、二人の講師にお話を伺いました。

大阪のブルディガラ、福岡のジェラールミュロなどで活躍し、現在はサンジェルマンの技術開発部に在籍するヤマサキユタカさん(”サキ”の漢字が文字化けしてしまうためカタカナ使用します)はちみつ専門店ラベイユ白仁田雄二さんです。

魅力的な店づくり、パンづくり

ヤマサキユタカさん。国内外で技術顧問として多数の指導を行う。2004年の講習会レポート
ヤマサキさんは蜂蜜に合うパンと、蜂蜜を使ったパンを実演しながら、パンづくり、店作りについて話をされました。

「パン屋さんは時代に合わせて変わっていくべきだと思います。素材、機械、環境、食べる人も時代も変わっていくのだから」というヤマサキさんは、今までいくつも人気店を立ち上げてきました。
たとえばパンとともにチーズやワインも買える店、ブルディガラ。パン屋さんで、パンに合う食材が買えるのはうれしいものですね。

食事パンを売る店で置く食材は「チーズやワインだけではなく、たとえばレトルトカレーだっていいと思います」とその考え方は柔軟です。

今やポピュラーなポーリッシュ法(液種をつくり一旦発酵させてから、他の材料とミキシングする製法)をいち早く取り入れたヤマサキさん。職人の個性が光る方法だから、仕込みには力を注ぐのだそうです。
素材ではフランスやドイツの石臼挽きの粉を使用するなど、彼のパンがいつも香り高く味わい深い理由はたくさんありそうです。

蜂蜜に合うパン、蜂蜜たっぷりのパン


実演されたパンはフランス産石臼挽き小麦のバゲットポーリッシュ(左上)、パンドカンパーニュ(右上)、蜂蜜がたっぷり20%入ったパンオミエル・フリュイルージュ(左下)、ドイツ産の石臼挽きライ麦粉40%のパンオセーグル(右下)。
そのほかに国産小麦のバゲットリュスティック、パンドエピス(シナモン、ナツメッグ、カルダモン、アニス、クローブなどスパイス入りの蜂蜜ケーキ)、ケークオフリュイ(フルーツケーキ。スパイスが苦手の人のために)の試食がありました。

パンオミエル・フリュイルージュの生地にはドライのベリーが3種類入っています。卵白と上白糖、ヴァニラシュガー、アーモンドプードル、粉砂糖を合わせて絞り、あられ糖、ピスタチオ、粉糖で仕上げています。ふんわりスイートな蜂蜜パンでした。

手前がパンドエピス。フランボワーズのグラッサージュでコーティング。 懇親会のテーブルより、右上はヤマサキさんによるミネストローネ。

「パン生地は話すことができないけれど、母親が赤ちゃんの表情を見て感じとるように丁寧にパンを扱うことができるのが女性の職人だと思います」と語るヤマサキさん。
女性パン職人にとって身体的にハードな職場ですが、そんな女性ならではの利点を生かしていけたらいいですね。

次は「はちみつ専門店ラベイユ」の白仁田さんによる蜂蜜とパンのお話です。

【関連記事】

クラブ ド サントノーレ

【第一回】志賀勝栄さんに学ぶ

【第二回】いがらしろみさんに学ぶ

【第三回】ZOPF伊原やすともさん、りえさんに学ぶ

【第四回】柴田知実さん、松原祐吉さんに学ぶ
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