きつねうどん発祥の店『松葉家本舗』南船場



 
商売の街、食道楽の街大阪で生まれたきつねうどんを食べに行った。
大阪うどんの特長はつゆの旨さだ。うどんの特徴よりも話題はつゆや出汁の話になる。関西料理の手法にも関係すると思うのだが昆布や鰹節、塩の吟味のなどが話題には欠かせない。

昨年なくなられた二代目ご主人宇佐美辰一さんはたくさんの興味深い話題を残している。そのノウハウや薀蓄は『きつねうどん口伝』ちくま文庫で紹介されているがうどんに対する愛情と情熱は素晴らしいものである。ぜひ一度読まれてみると良いと思う。うどん、つゆ、種物、素材、器、料理道具・・・興味が尽きない。



そのお店『松葉家』を訪ねたのは真夏の昼下がり。大阪船場界隈を探して歩く。土地勘がないので一時反対方向へ動き出す。炎天下地図とにらめっこである。ふらふらになりながら到着。昼時は過ぎているので客はまばらだが風情のある店内だ。気取らない日常がある。入り口脇の大きな石は石臼だろうか・・・

【きつねうどん】

やはりどんなに暑くてもこの店ではきつねうどんを食べないわけにはいかない。3日かけて炊かれて完成するというお揚げさん。迷うことなく注文する。うどんは蒸篭から茹で置きがゆがかれる。つゆが張られてきつねが乗ってかまぼこ一枚。つゆをすすれば淡口醤油と味醂のハーモニー、えもいわれぬ円やかさ。暑いけれども熱さを忘れる。うどんは優しい。讃岐うどんとは別物の丸さと柔らかさ。一瞬だが茹で立てならどんな味だろうと想像する。しかしこちらの手法は茹で立ては使わないだろう。きっとうどんが勝ちすぎる。一杯のバランスで選ばれた完成品なのだ。

 
 
きつねうどん550円



【おじやうどん】

今度はメニューで気になった『おじやうどん』を食べに来よう。ちなみに『おじやうどん』はオヤジうどんではない。ご飯も入ったうどんでうどん雑炊のようなものであろうと想像している。
おじやうどんに未練を残しながら店を後にする。外はまだまだ午後の日差しが強かった。




【DATA】
松葉家本舗
大阪府大阪市中央区南船場3-8-1
TEL:06-251-3339
地下鉄御堂筋線、心斎橋駅下車
営業時間:11:00~19:30(休日:日曜・祝日)

きつねうどん    550円
おじやうどん    750円

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