伊勢うどんファンのあいだで「手打ちぜんざい」が注目を集めています。この大胆なメニューを生み出したのは、伊勢で人気の「つきよみ食堂」です。

衝撃と感動! 伊勢うどんが"ぜんざい"になった!

手打ちぜんざい

  伊勢うどんのやわらかい麺だからこそ成り立つ奇跡のコラボ

伊勢うどんの麺が入った「手打ちぜんざい」(400円)。もちもちの麺と甘いあずきのハーモニーが絶妙で、伊勢うどんの懐の深さにあらためて感動させられます。
半盛り分のうどんが入っていて、お腹も心も大満足。うどんの概念を越えたというか、ぜんざいの概念を越えたというか、ともかく衝撃的なこのメニューが登場したのは、2014年の冬でした。

「テレビでお雑煮を特集してる番組を見てたら、どこかの県にぜんざいみたいなお雑煮があったんですよ。それで、伊勢うどんの麺でぜんざいをつくってみてもイケるんと違うかと、ふとひらめきまして」

手打ちぜんざい2

食べやすいように、麺の長さを通常の3分の1にしてある

ご主人の楠木康生さんは、誕生のきっかけについてこう語ります。さっそく試作してみたところ、「これはおいしいな」と自信を持ってオススメできるものが完成。新メニューとして登場すると、たちまち伊勢うどんファンのあいだで評判となりました。

店内の貼り紙には「冬の甘味処」とありますが、予想以上に好評だったため、2015年はゴールデンウィークのころまで提供していたとか。夏場はさすがにお休みで、また暮れから2シーズン目のお目見えとなっています。

楠木康生さん

店主の楠木康生さん。やさしそうな眼の奥に伊勢うどんへの情熱の炎が燃える

「手打ちぜんざい」という名前なのは、使われている伊勢うどんの麺が「手打ち」だから。現在は本場の伊勢市内でも、麺を手打ちで作っているお店はほとんどありません。こちらのお店も当初は業者製の麺を使っていましたが、8年ほど前から「50肩のリハビリを兼ねて」(楠木さん)、麺の手打ちを始めました。もちろん本音は「自分がイメージする麺を使って、よりおいしい伊勢うどんをお客さんに食べてほしいから」です。

「慣れやんうちは、伊勢うどん独特のやわらかさを出すのが難しかったですね。最近は、どうにかそれなりに作れるようになってきました。打つのはまあたいへんですけど、手打ちにしてよかったと思ってます」

潮香都丼と伊勢うどん半盛り

潮香都丼と伊勢うどん半盛りのセット(1000円)

と、控えめに語る楠木さん。「つきよみ食堂」の麺は、やわらかさの中に手打ちならではのもっちり感があるのが特徴。「ここの麺がいちばんおいしい」というファンもたくさんいます。やや辛口のタレも、もちろんじっくりダシを取って作った自家製。アオサをたっぷり使った「潮香都丼(しおかつどん)」や「潮恵比丼(しおえびどん)」など、ご飯メニューや豊富なセットメニューも人気です。

食べ方指南

テーブルの上には、さらに伊勢うどんをおいしく味わえる地元流の「食べ方指南」が

丹精込めて打った麺をいろんな形で味わってほしい――。もっともっと伊勢うどんに親しんでほしい――。「手打ちぜんざい」には、そんな気持ちも込められているに違いありません。お伊勢参りの際にはぜひ立ち寄って、うどんとしてもぜんざいとしても極めて斬新な味や食感を楽しみながら、伊勢うどんに込められたたくさんの人々の愛を感じてみてはいかがでしょう。きっと、ひと味もふた味も違うあたたかさに包まれるはずです。

つきよみ食堂

お店は国道23号線沿いで、伊勢神宮内宮に向かう手前の左手。月讀宮の向かい側

■つきよみ食堂
http://tsukiyomi.biz/dining/
住所:三重県伊勢市中村町831
TEL:0596-23-5154
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜日・不定休で火曜日
備考:伊勢うどん(450円)
地図:http://yahoo.jp/GYV1Bp
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