サブスリーへの脚筋力強化トレーニング

人が歩いたり走ったり跳んだりする時、最も大きな力を発揮するのがアシです。ランニング動作ではアシをどのように使うのか考えてみましょう。

後足が路面とのフリクションを効かせ、接地面を支点に、足とハムストリングや大臀筋という大腿部の後側の筋肉を使って体を前方に押し出すとともに、一方のアシは前方へ振り出し、慣性の力を生じて体を前方に引きます。この時に主に使うのは大腿四頭筋と腸腰筋というインナーマッスルになります。脚の前後運動だけでなく、歩幅を広げるためにスナップをきかせる筋肉の働きも大きな要素になっています。

速く走るには、これらの筋肉を強く速く動かす必要があります。しかし、ある限度を超えた負担を筋肉に課すと、乳酸菌を発生し持久走には不利な状況を生じます。その能力に見合った強度を超えるわけにはいきません。一般的なランニングトレーニングは、この強度のレベルを高めることと、耐久性を高めるトレーニングだといっていいでしょう。特に限られた練習時間で、サブスリーに限らず自己記録の更新を目指す市民ランナーは、この点を意識してランニングをしたり補強トレーニングを実行しましょう。

さて、サブスリーともなると、ピッチも早くなければならないし歩幅もそこそこ広がらなければ4分15秒/km以上の速度で走り続けることはできません。腕振りによるピッチの早め方についてはすでに解説しました。腕振りで腕を短く使い、腕を振りやすくしてピッチを上げ脚の振りをリードする方法です。しかし、脚も短い方がピッチが早まります。脚を短くしてしまうわけにはいきませんから、ここでは脚を短く使う工夫をすることになります。

脚を短く使うということはどういうことかというと、腕振りと同様に脚を折りたたむのです。後ろ脚を前に振り出す時に、脚を短く折りたたんで前に振り出すのです。ダッシュなどしますと、かかとがお尻にあたるくらいに折りたたみますが、あのように脚を短くすることによって脚の振り出し速度が速くなります。

しかし、そんな走法はスピードは出ますが、とてもフルマラソンという長距離は持ちません。サブスリーレベルでは、そこまでする必要はありません。しかし、まんべんと脚を交互に振り出すのではなく、やや短く、重心が上になるように脚を振り出せば、わずかでもピッチを速めることができるでしょう。

練習時は意識して脚を短く折りたたむ走りをしていれば、本番では疲労を避けて脚を折りたたもうと意識せずに走っていても、以前よりは短くたたんで走っているものです。

もう一つ大事なことは歩幅を広げることです。足をなるべく前に振り出せば歩幅は広がりますが、オーバーストライドになってしまっては着地時にブレーキが掛かりピッチが遅くなってしまいます。歩幅は脚を大きく広げて得るのではなく、ジャンプ力と足・脚のスナップをきかせて歩幅を広げます。

ここで注意しておきたいのは、実際のレース時にはキック力を意識して使って走ってはならないということです。矛盾するようですが、足・脚のスナップを使う走りというのは、ネコ科の動物が獲物を追うときのような足・脚の使い方です。しかし、あれでは長くは走れません。しかし、その力が強化されていれば、レース時に意識的にその力を使わなくても多少スナップが効いた走りになるということです。

ジャンプにしても、ジャンプ力は必要ですが飛び跳ねるような走りでは、歩幅は広がってもスピードは落ちるし長続きしません。やはりスナップと同じように、練習時ではジャンプやキックを意識して走るが、レース時にはそうした力を意識した走りをしないということです。