編み目や穴を防がないのは、これ!
メッシュレザーのケアには、ズバリ、スプレー式のものがベスト! 左:コロニル スペシャルワックススプレー \1,890。エス・アイザックス商会。 右:ウォーリー ソフトナッパ \1,575。R&D |
まず、この種の靴のケアで注意すべき点を整理しておくと、
「靴クリームで編み目や穴を塞ぎ込まない」
さらには
「用いられている革の『柔らかさ』を阻害しない」
ことが挙げられます。と言うことは、粒子が細かく、かつあまりこびり付かない靴クリームが理想的なわけで、油性のワックスはもちろんダメ。乳化性のものでもいわゆる「デリケートクリーム」ならまあ大丈夫ですが、通常のペースト状のものは、補色したい時以外は正直あまり向いていません。また、液体の靴クリームで、「塗るだけで光る」ようなものを勧めている靴メーカーもあったりしますが、あれだと実際は革が硬化しちゃうしなぁ……
結果的に最善なのはスプレー式のものでしょう。例えばコロニル スペシャルワックススプレーは、蝋分をしっかり含むため、カーフなどどちらかと言えば艶を出したいメッシュレザーに効果的なものです。一方ウォーリー ソフトナッパは蝋分をほとんど含まないため、ラムスキンやキッドスキンなどあまり光沢を出す必要のないものに有効。スプレー式は粒子の細かさが逆に災いし、一般的には革にシミを作りやすいといわれますが、こちらはその心配もありません。
どちらも水拭きや液体クリーナーで汚れを取りしばらく乾燥させた後、靴全体にサーッと一拭きし表面を乾拭きする(これが肝心)だけでOKで、栄養が入ると同時に汚れも付きにくくなります。ブラッシングは特段には不要ですが、ライニングが付いていなかったり、パンチングレザーではライニングにも穴が貫通してしまっているものについては、ケアの前に必ず靴の中に新聞紙などを丸めて入れておくのを忘れないように! 靴の内側にスプレーの成分が入ってしまうのを防ぐためです。なお、ごく稀にスエードのメッシュレザーがあったりもしますが、それにはこのページにあるスエードスプレーを用いてケアしてあげて下さい。
今回のケアは何もメンズのドレスシューズに限らず、メッシュレザーを用いた婦人靴やサンダル、カバンやベルトそれに財布などの革小物にももちろん、応用が可能です。アッパーに用いられる素材にかつてのような季節感が失われつつある昨今、この種の靴は貴重な存在です。カジュアル用途だけでなく、デザインをちょっと工夫すれば恰好の「クールビズ」対策にもなるはずなので、各靴メーカーの今後の企画に期待しましょう!
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