スムースレザーとは、道具が違います!

今回はスムースレザーと同様に人気の高い
  • スエード:皮をなめした後、銀面を残したまま、その肉面を起毛させて仕上げた革
  • ベロア:皮をなめした後、銀面なしで、残りの肉面を起毛させて仕上げた革
  • ヌバック:皮をなめした後、その銀面を起毛させて仕上げた革
と言った起毛系レザー靴のシューケアを、順を追って見てゆくことにしましょう。

上段左上から右下に、スエードスプレー、発泡天然ゴムブラシ、シューキーパー、スエード用砂消しゴム、ワイヤーブラシ、スエードカラーリキッド

上段左上から右下に、スエードスプレー、発泡天然ゴムブラシ、シューキーパー、スエード用砂消しゴム、ワイヤーブラシ、スエードカラーリキッド


まず、今回も何はともあれ上の写真にある道具を揃えてください。その風合いが異なるのと同様に、スムースレザーの靴の手入れ(一番の基本。スムースレザーの革靴のケア!)とはケア用品も全く異なりますが、どれも靴屋さんかデパート等の靴売り場に行けば、必ず置いてありますので心配ご無用です。なお実験台には、またしても恥ずかしながら小生の私物の靴を用いました!

まずこれが肝心!新しいうちのケア

新品のうちに、まず手順1・手順2を履く度にしておきましょう。ほんのわずかなケアですが、半年後の風合いや色調が全く変わってくるんですよ!

手順1

手順1


発泡した天然ゴムでできたブラシでブラッシングし、泥やほこりをはらい落とします。あわせて毛並みも揃えてしまいましょう。シューキーパーを入れてケアした方がはかどりますし、履きジワも伸びます。

手順2

手順2


スエード専用のスプレーを靴全体にサッと吹き付けます。栄養(水分・油分)を入れて革のしなやかさを維持すると共に、防水性を増し、後々の色あせを防ぐのが目的です。スプレーは無色のもので大丈夫。

黒ずんだ汚れは、砂消しで落とせ!

薄手の色のものに黒ずんだ汚れが付いてしまうと、心理的に落ち込んでしまいますよね。そんな時は、早めに以下の手入れをして下さい。

手順3

手順3


手順1では落ちなかった黒ずんだ汚れの部分を、スエード専用の砂消しゴムで軽くこすります。

手順4

手順4


消しゴムですから、当然カスの中に汚れが取り込まれるわけです。それを取り払って、再度毛並みを揃えた上で、手順2と同様に、スエード専用のスプレーを靴全体に吹き付けます。

テカリと色あせは、こうして解決!

起毛系レザーの靴を長く履いていると、その特性ゆえに避けては通れない、テカリと色あせ。テカリ出したら、以下の方法で解消しましょう。

手順5

手順5


スエード専用のワイヤーブラシで、まず汚れやホコリを掻き出します。テカリが出ている=毛が潰れているなど毛並みがかなり荒れている場合は、毛を起こすような感覚でブラッシングするとよいでしょう。

手順6

手順6


スエード用のカラーリキッドを準備します。塗りムラを防ぐのと色のチェックを兼ねて、事前に紙の上などでスポンジにリキッドをしっかりと馴染ませましょう。色調は靴の色より若干薄めのものを選ぶと、失敗がありません。

手順7

手順7


スエード用のカラーリキッドを靴全体に塗りこみます。色あせしている部分は、特に念入りに。これで補色だけでなく栄養(水分・油分)も入りますし、防水性が増します。スプレーのものもありますが、補色性はリキッドの方が良いようです。

手順8

手順8


リキッドを塗った直後の状態です。色むらになっているような感じですが、水分をまだ含んでいるのでそう見えるだけ。靴より若干薄い色のものを用いて乾かせば、このムラは消えます。乾燥後にもう一度ワイヤーブラシで今度は軽くブラッシングし、毛並みを揃えてください。

スムースレザーより、ケアは簡単!

Before&After

Before&After


言わずもがな、向かって左がケア前、右がケア後の姿です。色合いも起毛した風合いも、とても同じ靴の革には見えません。しかも、かかった時間は片足で、手順5~手順8で僅か5分程度(乾燥に別途時間が掛かりますが)。手順1~手順2ならなんと約1分です。

スムースレザーのケアに比べると、圧倒的に簡単。なので、どうか履き下ろした時から、靴を履く度に毎回手順1~手順2をしていただきたい!そうすれば色落ちなどのダメージは確実に防げますから。

ちなみにこの色落ち、文字通りその起毛=表面がデコボコゆえに色が定着しにくいから起こるものです。よく聞く「起毛系レザーは雨に弱い」説は、この色落ちに関してとお考え下さい。それ以外の点では、特に牛のスエードはスムースレザー以上に実は「雨にも強い、耐久性のある」革ですよ。

起毛で表面張力が働いて、雨などの水滴が革の内部にしみこみにくくなりますし、スエードは革で一番丈夫な「銀面」を裏にするので、一番丈夫な部分が最後にダメージを受けることになり表面割れが起こりにくいからです。

雨が多く耐久性も求められる筈のイギリスのカントリーシューズに、茶色のスエードが必ずラインアップされている理由が、これでもうお解りでしょう。スエードの質感が粗野で雰囲気に合っているだけではない、初めに用途・機能ありきの、いかにもイギリス的発想なのです。だからこそ、彼らのようにいたって簡単な手入れを怠らないで、長く履いて欲しい素材であります。

今回使っているシューケアグッズについても、もっと詳しく知りたいと思っていらっしゃる方も多いと思います。次回以降(シューケア・手入れ)、またもやそれらを深く解説してまいりますので、ご期待ください。

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