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ワイン好きは必携! 紫水晶は酒の神バッカスの特効薬 2月の誕生石、アメシスト(2ページ目)

甘やかな紫色のアメシストは、ワインに深く関わりのある宝石。これを持っていると、飲み過ぎても悪酔いしないというけれど……。アメシストにちなんだ小説や神話のワンシーンをご紹介します。

執筆者:本間 恵子

紫水晶はよく「アメジスト」と表記されますが、thの発音がにごらない「アメシスト(amethyst)」のほうがより正確であると思い、当サイトではこの表記を使用しています。このアメシストという宝石名の由来は、ギリシャ神話にあるといわれます。

葡萄酒に酔った酒神バッカスは、宴の席で人間に侮辱されたのを怒り、次に出会った人間に猛獣をけしかけることを誓います。運悪く通りかかったのは月の女神ダイアナの侍女、アメシスト。獣に追われて逃げまどうアメシストを、ダイアナは透明な水晶に変身させて救います。酔いからさめたバッカスはこれを悔いて水晶に葡萄酒をそそいだところ、石は酒の色に染まって紫水晶になった、とのこと。

それにしても、なんという酔っぱらいの暴挙! ギリシャ神話の上級神たちはよくこういうムチャクチャをするのですが、バッカスはこの件ではかなり反省したらしく、これ以降、人々がアメシストで作ったコップで酒を飲むと悪酔いしなくなった、といわれます。

じつはわたしは、石に変えられた侍女のストーリーの出典を、いまだに見つけることができないでいます。ですから上記のストーリーは、原典を確認せずにここにご紹介しています。本によっては美しい乙女のアメシストがバッカスに言い寄られて困り果て、処女神ダイアナが彼女を白い石に変えた、とあります。また、ノンノスの『ディオニュソス譚』という本には、ディオニュソス(バッカス)は女神レアから泥酔を防ぐ効果がある宝石、アメシストを与えられているとも書かれています。

いずれにせよ、アメシストは葡萄酒や酔いと深い関わりを持つようですね。一体なぜ? もしかしたら古代ギリシャのワインが、現在の赤ワインと違って、アメシストのように鮮やかな葡萄色をしていたからかもしれません。

 

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