トパーズの語源は、紅海に浮かぶ幻の島「トパゾス」であるとも、サンスクリット語で火を意味する「タパス」という言葉であるともいわれます。和名は、黄玉。透明感のある美しい黄金色のトパーズは、古代エジプトでは太陽神ラーの加護を受けた霊験のある宝石として愛でられ、ギリシャ人やローマ人は病気の治療にトパーズを使っていたといわれます。

今、最も価値のあるトパーズとされているのは、ピンクのさしたオレンジ色でかぐわしいシェリー酒の色にも例えられる「インペリアルトパーズ」。ブルートパーズは、トパーズに放射線を照射して青い色をつけたもので、1970年代からポピュラーになりましたが、誕生石に選ばれているのはシェリーカラーやイエローです。

質量ともに優れた産出国となると、やはりブラジル。この国ではトパーズを、水滴を意味する「ピンゴ・ダコア」という名で呼ぶこともあるそうで、宝石のなかでも特に透明感のあるトパーズは、まさにこの呼び名にふさわしいように思えます。

混乱が起きたのは、19世紀末のことでした。1883年、アメシスト(紫水晶)を加熱すると黄色になることがわかり、それがゴールデントパーズの名で大量に売りさばかれたのです。このとき混乱を収めるために、ブラジルを統治していたブラガンサ家の皇帝ペドロ2世にちなんでインペリアル(皇帝)の名が使われたのだそう。高価なものには偉そうな名前をつけるというマーケティングの法則は、今も昔も変わりがないようです。

今では、加熱した黄水晶はシトリンと呼ばれ、トパーズと混同しやすい「シトリントパーズ」の誤称が使われることは少なくなりました。それでもシトリンとトパーズでは、値段がかるく1ケタ違ってしまうこともざら。ちょっとした宝石の呼び名の使い方に、ジュエリーショップの良心が見え隠れしますので、このことは覚えておいてくださいね。

 

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