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1月は花嫁の月? 結婚の女神にかかわりのある赤い石 1月の誕生石、ガーネット

ガーネットの濃い赤は、インパクトたっぷり。その色は柘榴の実にたとえられますが、柘榴はローマ神話のある女神とゆかりの深いフルーツなのです。さて、その女神とは……。

執筆者:本間 恵子

ガーネットの名は、ラテン語で種を意味するグラナトゥスに由来します。和名は柘榴(ザクロ)石。ちょっと酸っぱくて甘いあの果実に、なるほどガーネットの色はそっくりです。柘榴の果実にぎっしりと詰まった種は、信仰によって結ばれた者が集う教会のシンボルであり、真っ赤な果汁は殉教者の流す血を象徴していました。十字軍の兵士たちはガーネットをお守りとして身に着け、遠い地へ旅立ちました。

柘榴は古代ローマの結婚と出産を司る女神、ジュノーのアトリビュートでもあります。6月(June)はジュノー(Juno)の名からきているので、ジューンブライドが幸せになれるという言い伝えは、実はこの女神にちなんでいます。古代ギリシャのアテネでは、1月から2月半ばにかけてが“婚姻の月”とされ、花嫁は柘榴の枝で編まれた冠を頭に飾りました。聖書の記述をもとにして選ばれた12の誕生石ですが、このことは、ガーネットが1月の誕生石であることとの縁を感じさせます。ガーネットの宝石言葉は“貞節”“真実”です。

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誕生石のガーネットは赤ですが、この宝石にはオレンジ、イエロー、グリーンなどの虹色が揃います。変種名でいうと、パイロープ(赤)、ロードライト(紫~赤)、アルマンディン(赤)、スペサルティン(オレンジ)、グロッシュラー(緑~黄~オレンジ・白)、デマントイド(緑)など。パイロープという種類のガーネットはダイヤモンドと一緒に採れるので、ダイヤモンド原石が埋まっている鉱床を探す目安としても役立ちます。ときにはダイヤモンドの結晶のなかに、ごく小さなガーネットのかけらが入り込んでいることもあるのです。

最近、インターナショナルジュエラー(たとえばカルティエなど)は「ロードライト・ガーネット」といった変種名までスペックに詳述するようになってきました。しかしこれはよい傾向でもあり、悪い傾向でもあります。というのは、あるジュエラーでショップスタッフが「ロードライトは、ガーネットのなかでも特に希少で価値の高い石」と客に説明しているのを聞いたからです。ロードライトは最もポピュラーなガーネットであるにもかかわらず、です。ロードライトは確かに美しい石です。しかし、その名が希少価値を高めるために使われるのには、どうにも納得がいきません。

 

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※参考にした書籍は連載の最後でお知らせします。

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