■オーダーメイドで指輪を仕立てる
指輪のオーダーメイドには、大まかに分けて2つのパターンがあります。「セミオーダー」と「フルオーダー」です。
セミオーダーは、まずダイヤモンドのルース(裸石ともいいます)を予算に合わせて選び、次に好きなデザインの空枠(からわく:石を留めていない状態のリングです)を選んでダイヤモンドをはめこみます。いうなればスーツのイージーオーダーのようなもので、仕上がりの雰囲気が事前に予測できますから、初めてでも安心。
デザインは気に入っているのに値段が折り合わない、ダイヤモンドのグレードは希望通りでもデザインがしっくりこない、などのとき、普通は別な製品を取り寄せなければなりませんが、セミオーダーなら注文に応じて指輪を完成させるので、この面倒がありません。ほとんどのブライダル専門店がこの方式を採用しているのは、完成品の在庫を持たずに済むという、店側にとっての都合のよさもあるからです。
さて一方フルオーダーは、デザイン画を描きおこして指輪を一からあつらえます。ふたりだけの完全なオリジナルリングを作れるという点は、何よりの魅力です。ただ、「こういう感じの指輪が欲しい!」というイメージを具体的に持っていない人には、フルオーダーは向かないかもしれません。自分なりのイメージがわかないかぎり、何度店頭に足を運んでも、よい結論には行き着きにくいでしょう。
また、デザインのセンスは店によっていろいろですので、ふたりの感性にぴったりマッチする店を探し出すのも重要な勝負どころになります。簡単なスケッチを見せたりして、心に思い描く指輪のイメージをデザイナーにしっかり伝え、打ち合わせにたっぷり時間をかけるのが、フルオーダーを成功させる秘訣です。
すでにルースを持っている、またはお母さまの指輪を仕立て直すなどの場合は、フルオーダーの店で相談してみるのがよいでしょう。セミオーダーの店にルースを持ち込んで、空枠にセットしてくださいと頼んでも、実現は難しいかもしれません。店にとって利益になりませんから。
フルオーダーとリフォーム、いずれにしても、ジュエリーの「あつらえ」の経験を十分に持っている店に頼むのがベスト。これまでに仕立てたオーダージュエリーの記録(デザイン画や写真)を見せてもらい、検討しましょう。
オーダーメイドの1点ものの指輪は、満足度は高いのですが、やはり量産品と比べて割高にはなります。あらかじめルースを持っていても、あつらえの過程は1点ものと同じですから、トータルで安くなることはそうありません。職人の腕がよければ指輪の仕上がりはそれだけ見事なものになりますが、加工賃も安くはありません。先にしっかりと自分たちの予算を伝えておくのは大切です。
ここでわたしからの小さなアドバイスをひとつ。指輪の肩の部分にメレ(小粒の飾り石のことです)をあしらう場合、その品質を惜しまないようにしてください。よいメレが使ってあると、指輪の存在感がまるで違って見えます。主石の美しさもぐんと引き立ちますので、ぜひご一考を。
INDEX
■どこで買うか、誰から買うか
■□似合うデザインとはどんなもの?
■□□ブランドものを買う意味は
■□□□オーダーメイドで指輪を仕立てる
■□□□□ダイヤモンド選びの優先順位
■□□□□□婚約指輪はダイヤモンドでなければだめ?
■□□□□□□婚約指輪は買わなくてもいい?
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