中国の治安 どの都市が安全で、どの都市が要注意なの?
地上の天国と称される浙江省 (C)Gejian Architects & Engineers
<目次>
- 中国人の性格と特徴はエリアごとに違う
- 中国の治安・都市別安全度トップ10&ワースト3
- 1位:上海
- 2位:北京
- 3位:蘇州(江省省)
- 4位:杭州(浙江省)
- 5位:青島(山東省)
- 6位:新余(江西省)
- 7位:梅州(広東省)
- 8位:桂林(広西省)
- 9位:船山(浙江省)
- 10位:威海(山東省)
- ワースト1位:東莞(広東省)
- ワースト2位:広州(広東省)
- ワースト3位:深セン(広東省)
- 番外編:中国住みやすい都市トップ10は?
中国人の性格と特徴はエリアごとに違う
中国は多民族の集合体
さて、まずは黄河以北の北方地をみてみましょう。首都・北京、内モンゴル、大連、ハルピンなどが属する北方は、悠久な歴史を誇る文化の発祥地。そんな土地で生活する北方人は一般的に豪傑、実直、見栄っ張り、征服欲が強いという特徴があります。そんなことから、ファーストエンペラーの長安(西安)や、ラストエンペラーの北京といった多くの王朝が北方で興ったのです。
一方の長江流域を中心にした中国の南方は、気候的に恵まれた肥沃なエリア。生産物が豊かで水上運輸も便利だということから、早くから商業が栄えました。その商売っ気は今も健全で、上海、広東、成都、重慶といった中国を代表する商業都市はすべて南方に属しています。南方人は繊細で頭の回転が早く、商人気質があると言われます。そんな彼らは北方人から「ずる賢くて、ケチ」と罵られることも少なくありません。
以上、北方人と南方人の特徴を紹介しましたが、これはあくまで一般論。「巻き舌ができない江戸っ子」や「寡黙な大阪人」がいるように、「小心者の北方人」や「荒々しい南方人」ももちろんいるということをお忘れなく。さらに細かいエリアごとの紹介は、「中国のエリアガイド」に掲載されています。次章のトップテン&ワーストスリーと照らしあわせると、面白く読めると思います。
中国の治安・都市別安全度トップ10&ワースト3
さてさて、お待たせしました!中国の治安・都市別トップテン&ワーストスリーの発表です。まずはトップテンから見ていきましょう。1位:上海 安全レベル10
海外邦人数世界二の上海。一位はロス、三位はニューヨーク
>>>更に詳しい情報は「上海の治安」をどうぞ!
2位:北京 安全レベル7.0
天安門広場にある毛沢東紀念館
>>>更に詳しい情報は「北京の治安」をどうぞ!
3位:蘇州(江省省) 安全レベル9.5
世界遺産の古典庭園・留園
4位:杭州(浙江省) 安全レベル9.5
杭州のシンボル・西湖。中国十景名勝地として全国的に知られる観光スポット
5位:青島(山東省) 安全レベル9.0
ほどよく開発された人に優しい都市
6位:新余(江西省) 安全レベル9.0
江西省にある山水の名勝・武夷山
7位:梅州(広東省) 安全レベル8.5
梅州は、“東洋のユダヤ人”とも称される四大移民集団・客家(はっか)の故郷の一つとして有名です。青い空と豊かな水が美しい、歴史的な建造物が残る古い町。ここで暮らす人々はのんびりと穏やかで、とても友好的だと言われます。8位:桂林(広西省) 安全レベル8.5
世界的に有名な桂林の幻想世界
(C)Gejian Architects & Engineers
9位:船山(浙江省) 安全レベル8.0
四位の杭州に続き、浙江省二つ目のランクインです。東シナ海に浮かぶ大小1391個の島々からなる町。中国四大仏教名山の一つである普陀山で知られます。古くからとても豊かな地域。しかも、流動人口は皆無。治安が悪くなるはずもありません。10位:威海(山東省) 安全レベル8.0
かつてイギリスの租借地だった威海
さて、トップテンの次はワーストスリーの発表です。
ワースト1位:東莞(広東省) 危険レベル10
東莞のシンボル・中心広場。南北1.66キロ、東西640メートルの巨大な空間
ワースト2位:広州(広東省) 危険レベル9.5
広州の歴史遺産・光孝寺
ワースト3位:深セン(広東省) 危険レベル8.5
3位も広東省・深セン。つまりワーストスリーすべてが広東省という結果になってしまいました。これは広東が北京、上海と並ぶ中国三大都市として発展を遂げながらも、地理的な理由から二都市と比べて、中央政府の力が行き届かない、一種“独立王国”のような存在であることが大きな要因だと思われます。特に深センは香港への出入口であり、香港へビザを求めて国境を越える大陸在住の外国人、仕事を求めて香港へ渡る大陸労働者、香港から大陸の安い人材を求めてやってくるブローカーなどなど、様々な人たちが深センを訪れます。毎日大量の流動人口があるのですから、治安がいいわけありません。けれど、殺人などの凶悪犯が毎日多発しているわけではなく、スリや置き引き、引ったくりなどの軽犯罪がメインのようです。番外編:中国住みやすい都市トップ10は?
番外編です。治安が良いだけでは住みやすい町とは言えず、公共サービス施設の利便性や自然環境の快適度も大きく影響してきます。中国社会科学院は毎年、中国40都市を対象に調査を実施して、住みやすい都市トップ10を発表しています。2018年度の結果は、1位が珠海(広東省)、2位が威海(山東省)、3位以下は信陽(河南省)、金華(浙江省)、蕪湖(安徽省)、紹興(浙江省)、揚州(江蘇省)、曲靖(雲南省)、広元(四川省)、宜春(江西省)と続きます。治安ではワーストスリーを制覇してしまった広東省もここで面子を挽回です。豊かな自然環境や適度な発展、幸福指数などが評価されたようです。上海や北京は治安面では評価されつつも、環境面や物価の高さなどが足をひっぱってしまいました。以上、中国の治安・都市別トップテン&ワーストスリー、そして番外編でしたが、これはあくまで一般論で、統計学的なものではありません。なので、行き先が杭州だからといって安心しきっていいわけでも、広東へ行くからビクビクしなければならないわけでもないという点をお忘れなく。しかし、この順位を中国人たちに見せたところ、誰もが口を揃えて「一理ある」と言っていたものまた事実。
近年、中国大陸で反日デモが起きたり、香港でデモが起きたりしています。中国に限ったことではありませんが、旅行者としてデモが起きている場所に近づかず、政治的な話はしないのが懸命です。中国はいうまでもなく“外国”、「日本とは違う」という認識をしっかり持って、危うきには近寄らないようにしましょう。
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