シリア風ピザも人気、シリア料理
世界遺産パルミラなどを有するシリア。料理はお隣のレバノンと非常によく似ています。おもな食材は豆、野菜、肉。味付けには「スンマーク」と呼ばれる酸味のあるパウダーや、コリアンダー、ミントなどが使われます。ユニークなネーミングで知られるシリアのメッザ(前菜)といえば、“うそつき”の意味を持つ「ヤーランジー」。ヒヨコ豆や野菜をブドウの葉でくるんで煮た料理なのですが、「なかに肉が入っていると思ったのに入っていない!」というのが名前の由来だそう。そのため実際には挽肉を混ぜることもあるようです。同様の料理はシリア以外では「ワラカイナブ」などと呼ばれています。また、軽い食事におすすめなのが、イースト菌で軽く膨らませたパンに具をのせたシリア風のピザ「スフィーハ」。街なかでは専門店もよく見かけます。
祝い事には羊の頭も登場、ヨルダン料理
ペトラ遺跡や死海などユニークな見どころの多いヨルダン。料理はレバノンやシリアと同じく、オーソドックスなアラブ料理です。なかでもヨルダンでポピュラーなのが、羊肉の煮込みをご飯にかけて食べる「マンサフ」。もともとはアラブの遊牧民族、ベドウィンたちの料理でした。結婚式などのイベントでは羊の頭がそのまま置かれることも珍しくなく、脳と目玉、頬肉は主賓用だとか。また、首都アンマンには各国レストランも勢ぞろい。ヨルダンにはオリジナルのビールブランドはありませんが、オランダの「アムステル」とライセンス契約しており、広く流通しています。